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涼介いじめ 4 ページ7

涼介side



自習室に呼ばれては悪口を言われ、下駄箱にはあの紙切れ。

さらには教科書を破かれたり、バックに虫が入れられていたり。

クスクス笑いながら、男の子たちは涙目になる僕を眺めていた。

そんな状態が4日続き、僕は精神的にも正直キツくなってきていた

朝起きると、目に入る手首。

そこには、すでにいくつもの傷跡が残っていた。

なかには昨日できたばかりのものも…

こんなことしちゃいけないって分かってたけど、頭の中であの男の子たちの言葉がリピートされて…

『皆がお前のこと邪魔に思ってる』

『お前が大好きな兄ちゃんたちも邪魔に思ってるよ!』

最初はそんなことないって言い聞かせてたけど、最近はその自信もなくて。

僕は邪魔なのかな?

いない方がいいのかな?

誰にも必要とされてないのかな?

襲いかかる不安にどうしようもなくなって…結局リスカを繰り返してしまう。

今日は、待ち焦がれていた休日。

時刻は9時。

侑李はリビングにいるみたいで、部屋には僕一人だ。

重いからだをベッドから起こす。

…かちゃ

しばらく一人で過ごしたくて、扉の鍵をしめて再びベッドに戻った。

…ずっとこの時間が続けばいいのに。

がちゃがちゃ

宏「あれっ…涼介ー?」

ふいにドアががちゃがちゃと音をたてた。

宏兄が、なかなか起きてこない僕を起こしにきたようだ。

宏「体調悪いの?大丈夫か?」

涼「大丈夫だよ。でもしばらく一人にさせて?」

宏兄はしばらく黙ったあと、分かった、と優しい声で言った。

一人にはなりたかったけど、遠ざかっていく足音を聞くと、なぜか寂しいって思ってしまった。

助けてって言いたいけど、その度に、迷惑かもという思いと男の子たちの言葉が浮かぶ。

最近、常にポケットに入っているカッターを無意識のうちに手に持った。

すっと手首に刃を滑らせると、同時に流れてくる赤い液体と、湧いてくる謎の安らぎ。

しばらく眺めてから、自分で止血する。

…いつになったら止められるのかなぁ。

涼「…はぁ」

僕のため息が、一人の部屋に響いた。

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楠木りずむ(プロフ) - くりんくりんさん» そういえばそうでしたね!笑 リクエストが多かったんだと思います笑 このシリーズは6まであるので、最後まで楽しんで頂けると嬉しいです♪コメントありがとうございます! (2016年8月27日 13時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
くりんくりん - 今回は涼介と宏太のパラダイスでしたね!個人的にその2人が好きなので、うれしいです! (2016年8月27日 11時) (レス) id: c45c4edcfa (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - あかりさん» 喜んでいただけたようで良かったです♪ありがとうございました!(*^^*) (2016年6月11日 23時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - リクエストありがとうございました!めっちゃよかったです! (2016年6月11日 22時) (レス) id: 3324f2c0d2 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 純奈さん» そんなそんな!とんでもないです!!でも期待に応えられたみたいで安心しました♪ありがとうございます(о´∀`о) (2016年6月7日 22時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:楠木りずむ | 作成日時:2016年5月22日 15時

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