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宏太いじめ 2 ページ21

宏太side


宏「…ない」

今は昼過ぎ。

少し遅めの昼食をとろうしたけど…光が作ってくれたお弁当が、ない。

女看「薮先生?どうしたんです?」

ガサゴソといろんなところを探していたら、女の看護師が声をかけてきた。

宏「いや…べ、弁当が…」

女看「えっ、ないんですか?」

…もしかしたら、この人が犯人かもしれない。

医「薮くん、午後から205号室の竹本さん診てやってくれ」

宏「あ…はい」

俺の様子に気付かない様子で、そう声をかけてきた先輩の医師。

この人の可能性もある…

男看「あっ、薮先生!これ、頼まれてた資料です」

宏「あぁ…ありがとう」

ファイルに入った資料を持ってそう言ってきた男の看護師。

この人がやったとも考えられる…

それとも…

光『弁当、鞄に入れといたからなっ!』

あれが、嘘だったりして…?

女看「…ないですね…しょうがないので、売店行ってきたらどうですか?」

いろいろと考えを巡らせていた俺はハッと我に返り、言われた通り売店へ向かった。

…もう、誰を信じればいいのか分からなくなってきている。



次の日。

光「おーい宏兄!もう7時だぞ!?」

おれは部屋のベッドに寝転がっていた。

皆を起こしたところまではいつも通りだったけど、一人になりたくて部屋に戻ったんだ。

光「なぁ、とりあえず入るよ」

宏「っ来んな!」

がちゃりとドアノブをひねる音が聞こえ、俺は咄嗟に叫んでいた。

ドアノブは…再び元に戻り、扉が開くことはなかった。

光「宏兄…?」

宏「あ…こ、これは…」

言い訳を探すけど、良い言い訳は思い当たらなくて。

光「…飯、置いとくから。今日は休めよ」

そう心なしか悲しそうな声で言って、光の足音がどんどん遠ざかっていく。

光…

兄弟でさえも信用できない自分が嫌になる。

先輩の医師に休みのメールを送って、枕に顔を埋めた。

今頃、リビングで俺の悪口言ってるのかな。

迷惑だって思ってるかな。

病院では、俺が休みって知って喜んでるかな。

俺の心とは真逆の明るい音がケータイから鳴る。

それは、さっきメールをしたばかりの先輩の医師だった。

『体調悪いのか?仕事のことは気にしないで、ゆっくり休めよ』

…このメールも、ニヤニヤしながら送ってたりして。

宏「はぁ…何も信じらんねぇ」

その言葉は、静かな一人きりの部屋に響いて消えていった。

宏太いじめ 3→←宏太いじめ (純奈さんリク)



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楠木りずむ(プロフ) - くりんくりんさん» そういえばそうでしたね!笑 リクエストが多かったんだと思います笑 このシリーズは6まであるので、最後まで楽しんで頂けると嬉しいです♪コメントありがとうございます! (2016年8月27日 13時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
くりんくりん - 今回は涼介と宏太のパラダイスでしたね!個人的にその2人が好きなので、うれしいです! (2016年8月27日 11時) (レス) id: c45c4edcfa (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - あかりさん» 喜んでいただけたようで良かったです♪ありがとうございました!(*^^*) (2016年6月11日 23時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - リクエストありがとうございました!めっちゃよかったです! (2016年6月11日 22時) (レス) id: 3324f2c0d2 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 純奈さん» そんなそんな!とんでもないです!!でも期待に応えられたみたいで安心しました♪ありがとうございます(о´∀`о) (2016年6月7日 22時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:楠木りずむ | 作成日時:2016年5月22日 15時

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