新年 ページ44
光side
ふと、ぶるっと寒さに震え、ゆっくりと目を開けた。
まだ薄暗い、窓の外。
光「……あれ…」
昨日まで傍にあった温もりが消えていて、バサッと布団をめくる。
やはりそこに姿はなくて……少し耳を澄ますと、リビングから物音が聞こえてきた。
……涼介…？
光「いま、なんじ…………」
時計を見れば……まだ、4時を回る前。
涼介のスマホはベッドのわきに置いたままだし……何してるんだ…？
初詣だから早起き？………さすがに早すぎない……？
確か、4人がここに迎えに来るのは5時半…って言ってたような。
光「さみぃ………」
凍えるような寒さに耐えながら、名残惜しくも温もりの残る布団を出て。
靴下を履いて、リビングへと向かった。
……暗い廊下に、盛れる光。
扉を開ければ……ソファに座る、見慣れた影。
その背中は、いつもより少し小さくて。
光「……寒くないの？」
涼「………ぁ…………えっと、おはよ…」
光「まだ4時にもなってないけどね。笑」
成立しない会話に少し笑いながら、ホットココアを入れて、涼介の前に置いてやる。
光「寝れた？」
涼「……」
光「疲れてないの？」
涼「……………ねぇ、ひか」
相変わらず、俺の質問に答える気はないらしい。
時計の音だけが響く新年のリビングはかなり冷え込んで、俺はホットココアを1口啜った。
じんわりと、あったかい甘さが喉を通る。
光「ん？」
涼「…………今日……初詣、やめていいかな…」
………その言葉は、正直ある程度、予想出来ていた。
少し前までは、初詣を楽しみにしていた涼介。
紅白の舞台直前でその状況は一転した。
光「……」
涼「……………外、出たくない、から……」
………この言葉を聞くのは。
中学生以来だった。
外に出たくない………それはきっと、Honey Beeのメンバーが嫌なんじゃなくて。
周囲の人の視線から、逃れたいって意味なんだろう。
スマホを一切見ないのは、周りからの情報や連絡を遮断したいから。
光「…………いいんじゃない？…強制じゃないんだからさ。落ち着いてからでも行けるし」
涼「………」
光「今日はおうちでゆっくりしよっか」
涼「……………うん」
こういうときの俺の役目は、そんな涼介を受け入れて。
落ち着くまで、そばにいてやることだけ。
ようやくホットココアに口をつけた涼介は、小さく「あったかい…」と呟いた。
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楠木りずむ(プロフ) - 光空さん» ひい…でもそう言っていただけてちょっと嬉しいです…笑 ありがとうございます！まだ続きますので、これからもぜひよろしくお願いいたします(*-∀-*) (2021年11月18日 0時) (
レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
光空(プロフ) - 完結すると聞くと悲しくなって来ました（泣）移行先でも楽しみにしてます！！！更新頑張ってください！ (2021年11月17日 23時) (レス) @page46 id: dc08ee642a (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 柊さん» ありがとうございます！笑 私も「やだやめて！可哀想！」って思ってます（え）どうかぜひこれからもよろしくお願いします……笑 (2021年11月1日 19時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - お願い！悲劇はもう止めて！作者様のことが一瞬嫌いになりそうなくらい今ドキドキハラハラしております。お願いです、無事に紅白踊らせてあげて下さい……。（作者様とこの作品は大好きです） (2021年10月31日 21時) (レス) @page23 id: 9a230f5c32 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - JUMPLOVEさん» お返事遅くなって申し訳ないです…！そう言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます！ (2021年10月28日 9時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
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