狼 青 年 〜フードを外した素顔〜

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宏太side



秀「きっと、涼介くんの周りにいた人たちは、優しい人たちのはずだよね」

涼「…ん………っ」

秀「涼介くんを……茜を応援する人も、きっとそうだよね」




…全国に向けて、誤解を解く。





……………それって。

それって、つまり。







秀「だからね？そんな素敵な人たちに……俺は、涼介くんのことを誤解して、涼介くんから離れるなんてこと、して欲しくない。涼介くんのことを知ってほしい。………きっと、話せば分かってくれると思うんだ」






つまり…………紅白の場で、SNSの情報について話す、ってこと……？


涼介の、口から………？








大「そんな、こと………」



できるの？


そう、大ちゃんが言おうとした時。


秀「できるよ」


思考を読んだかのように、秀さんは力強く言った。










秀「涼介くんなら、できる。………だって、大きな恐怖に勝って、紅白に出る決断をしてくれて、リハも頑張って、今日を迎えたんだから。涼介くんは、強いよ」








……そう言えば。


涼介は、前に……確か文化祭の時に、話してくれたっけ。









宏「イジメなんてくだらないことをしてた相手は、ここまで大きくなったんだって見せつけてやれ。………光さんに、そう言われたんでしょう？涼介」




嬉しそうに、そういってた。

その言葉に、勇気づけられたとも。

そのおかげで、前向きにステージに挑めた、とも。









宏「………それは今にも、当てはまることだよ。こんなガセネタを平気で流すやつに、くだらねぇって言ってやれ。もう、言われっぱなしじゃないんだって……見せてやれ」






涼介への負担は、大きいかもしれない。

精神的に、辛いかもしれない。



だけど。





…………俺も、嫌だ。


こんな素直で、少し気弱だけど真っ直ぐで、芯は強い。

涼介の魅力に気付かされないまま、誤解されるのは嫌なんだ。





涼介が、Honey Beeが好きで、Honey Beeを知って欲しいって思ってるのと同じように。



俺だって、Honey Beeが好きで、Honey Beeを知って欲しいと思ってるんだ。






宏「………怖くなったら、俺らがいるよ、涼介」

涼「っ…………」

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