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涼介side
裕「………なんの心配してんの?」
宏「いや、だから」
裕「…何も心配することなんてないでしょ」
泣くところなんて見られたくなくて、また膝に顔を隠す俺。
そんな俺の事に、気づいているのかいないのか分からないけど、裕翔は変わらず何個目か分からない質問を落として。
裕「茜と蓬の正体がバレたって、顔を見せてないんだから向こうに確証はない。もし………もし、過去に何かあって、それをバラされたって………そんなので離れるような奴らばっか周りにいるわけじゃない」
涼「っ、そん、なの…っ…」
裕「実際俺は、何を聞いても、離れるつもりは無いよ」
……え…………
………予想外の、裕翔の言葉に。
ひくついた喉が、一瞬、止まった気がした。
またほんの少し顔を浮かして、盗み見るように裕翔を見上げる。
俺と薮ちゃんを見る裕翔の顔は……さっきとは違くて、眉が下がっていて。
裕「………何も知らないやつが言うなって感じだよね、ごめん」
涼「ぁ、ちが……くて…………っ………」
裕「…でも、何があっても、俺らはそばにいるから。………それだけ。時間だから帰るね」
裕翔はそう言って………颯爽と、俺らの前を去っていってしまった。
.
涼「……………ただいま」
帰りは、いつも通り薮ちゃんと一緒だった。
けど、帰りの会話はほとんど無くて。
俺も……多分、薮ちゃんも。
迷っていたんだ。
混乱していたんだ。
あそこの文化祭に出るか。
出てもいいのか。
ダメなのか。
…………安全なのか。
俺の正体がバレないのが1番いいけど。
フードが取れて万が一、ってこともあるかもしれない。
そうなったら………
考えただけで震え上がって、がたっと肩が震える。
光「…涼介?」
涼「ぁ…………ただいま…」
ずっと突っ立っている俺を、不思議に思ったのか。
キッチンから、手を拭きながらやってきたヒカ。
………なんだか、安心する。
欲を言えば、ずっとここにいたいな、なんて。
涼「……困ること…しても、いい…?」
光「うん?」
なぜか、無性に甘えたくなって。
ヒカに、触れたくなって。
靴も脱がずに、俺はヒカの腰にぎゅっと手を回した。
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楠木りずむ(プロフ) - おいもさん» 遅くなりました!ありがとうございます( *´艸`)クールですかね!?確かにシリアス要素はここのところ多かったかもしれないです笑 これからもよろしくお願いします!m(_ _)m (2021年9月30日 8時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
おいも - 移行おめでとうございます!なんか他の作品とは違うクールな?JUMPの小説が読めてワクワクしています!更新、頑張って下さい! (2021年9月26日 11時) (レス) @page33 id: 6132dfa9c7 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 舞さん» 舞さんありがとうございます!秀さん、実は度々別のお話にも出てます…( *´艸`)気づいてくれて嬉しいです!ありがとうございます! (2021年9月7日 9時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 移行おめでとうございます!いきなりなんですけど、青山秀さんって、「マネージャーの、山田です。」の、あの秀さんですよね!?名前を見て思わず飛び上がってしまいました!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2021年9月6日 23時) (レス) id: 79e1dd5dee (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - JUMPLOVEさん» ありがとうございます!!そう言っていただけて本当に嬉しいです……これからも頑張ります!ありがとうございます(*´▽`人) (2021年9月6日 20時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
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