最後の ページ24
涼介side
秀「ふたりとも?もうついてるよ?」
車はもうとっくに止まり、3人が降りて。
未だ車に乗ったままの俺らを、ドアから覗く秀さん。
その奥には、制服を着た男女がこちらに手を振ったり、歓声を上げたりしてる人達……そして警備員の人が、無理矢理3人の通る道を作っているのが見えた。
宏「………ごめん、先行ってて」
秀「…、分かった。時間ないから、出来るだけ早くね」
がちゃんっ、と扉が閉まれば車が揺れて。
………外の騒ぎが小さくなり、静けさが俺らを包む。
宏「……大丈夫か…?」
涼「っ………やぶちゃ……」
宏「怖いよな……」
ぎゅっと抱き締められて、ぽんぽんと叩かれる背中。
それでもなお支配する、恐怖と不安………
散々励まされた言葉を……頭の中で反芻して、胸を抑える俺。
『涼介、嫌わないよ。涼介のこと、嫌うわけないだろ』
『無理すんなよ、涼介』
『実際俺は、何を聞いても、離れるつもりは無いよ』
『堂々としてなさい。……正体がバレたって、過去をバラされたって、今の俺にはこんなにたくさんの人がいるんだって言ってやりなさい』
『お前らがイジメなんてくだらないことをけしかけた相手は、今ここまで大きくなってるんだって見せつけてやりなさい』
『涼介は、すごいんだよ。本当にそう思う、俺は』
宏「……大丈夫、涼介」
涼「……うん…っ」
宏「俺がついてる。ずっとついてるから。絶対に」
………仲間はたくさんいる。
俺の周りには……支えてくれる人が、たくさん……っ………たくさん、いるはずなんだ。
涼「くすり……」
宏「薬飲む?…はい、口開けて」
少し震える手でラムネを取り出せば、薮ちゃんはスムーズにそこから薬を取り出して口に入れてくれて。
薮ちゃんの「大丈夫」は、不思議と俺の心を落ち着かせた。
…………目の前の建物を、車から見上げる。
そばには、かつて俺らが通っていた中学も見える。
……思い出しませんように。
あの頃の記憶全て、今だけは……ステージが終わるまでは。
涼「……いく…」
宏「ん、行こうか」
また、がちゃんと開いたドア。
俺らは歓声に立ち向かうように……車から1歩、外に出た。
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楠木りずむ(プロフ) - おいもさん» 遅くなりました!ありがとうございます( *´艸`)クールですかね!?確かにシリアス要素はここのところ多かったかもしれないです笑 これからもよろしくお願いします!m(_ _)m (2021年9月30日 8時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
おいも - 移行おめでとうございます!なんか他の作品とは違うクールな?JUMPの小説が読めてワクワクしています!更新、頑張って下さい! (2021年9月26日 11時) (レス) @page33 id: 6132dfa9c7 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 舞さん» 舞さんありがとうございます!秀さん、実は度々別のお話にも出てます…( *´艸`)気づいてくれて嬉しいです!ありがとうございます! (2021年9月7日 9時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 移行おめでとうございます!いきなりなんですけど、青山秀さんって、「マネージャーの、山田です。」の、あの秀さんですよね!?名前を見て思わず飛び上がってしまいました!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2021年9月6日 23時) (レス) id: 79e1dd5dee (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - JUMPLOVEさん» ありがとうございます!!そう言っていただけて本当に嬉しいです……これからも頑張ります!ありがとうございます(*´▽`人) (2021年9月6日 20時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
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