Parallel World

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和「じゃあ次は？ヤマと風磨？」

風「いやちょっと休憩しましょ…！」



あちぃ…！


子供用のミニテニスをトーナメントで行い、次は俺と山田くんの試合。




…なんだけど、さすがに皆さんの額にも汗が見え始め、一旦日陰で休憩することになった。

もちろんその間も、カメラは回ったまんま。
どうせなら動画にできるものはしてしまおうというわかりやすい魂胆。




風「二宮くんもう顔赤いっすよ」

和「えぇー、焼けた？」

雄「ほんとだぁ。日焼け止め塗りました？」

和「ヤマから借りた…けど塗ってないや」

風「訳わかんないって」



借りたまま忘れてた、なんて笑う二宮くんのポケットから出てきたのは、ちょっと高くもみえる良さそうな日焼け止め。

いや、それ借りといて塗るの忘れるってどういうこと？



雄「山田くんも返してもらってないこと言わないんだね？」

涼「……へ……？…………あぁ…」

風「ほらもう暑さにやられてるって笑」



山田くんの様子と俺の言葉に、笑いが起こる現場。

……だけど、釣られて笑う山田くんの笑顔はいつもと違い、圧倒的に覇気がなくて。

むしろ疲れが滲み出てるような弱々しい笑みに、俺も、もちろん二宮くんたちも気付いたみたいだった。



和「大丈夫？具合悪い？」

涼「いや、ちょっと…、つかれて…笑」

雄「水分取りなね山田くん」

涼「………あぁ…おみず…」



中丸くんに言われ、思い出したかのようにペットボトルに手を伸ばす山田くん。

………よく見るとその中身は、全く減ってなくて。



…え、嘘だろ。
この暑さの中、ひとくちも飲まずにやってたの…？

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