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「総司」
「おや。監視ですか？それとも偵察？」
「違う」
「ふふ。分かってます」
部屋へ向かう途中、沖田はいた。
通常よりもかなり時間をかけて歩いている様子は、顔には書いてないが余程堪えているようである。
そっと触れると、思った以上に汗に濡れる背に思わず土方は沖田を見つめた。
ちょうどその途端、沖田の体はいよいよ陽炎のようにゆらゆらと揺れ、土方の厚い胸板に体がとんと当たる。
「総司」
「放してください。歩けますよ」
「だめだ」
「いやだなぁ、まるで病人だ。土方さんも近藤さんも変に過保護で困る。姉上に告げ口でもするおつもりですか」
困る、なんて言いながらも笑っている沖田。
しかし、一見いつも通りに見える笑顔も、その笑顔に通常の覇気が無いことを土方は敏感に感じ取っていた。
無理矢理沖田を支え部屋に押し込めば、まだ蒲団もない居心地の悪い畳の上に、沖田は膝をつく。
焦ったのは土方である。
引っ張り出した蒲団を少々乱雑に敷き、袴を脱がせ襦袢にし、ようやっと休ませた。
しかし当の本人である沖田は、何故かにこにことして、土方を見上げていた。
「そんなに焦らなくても、たかが熱で死にゃしませんよ」
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
＿＿
その頃と同じように、沖田は言った。
しかし、その頃よりも確実に衰弱し、その顔や体は骨が分かりやすく浮き出ている。
「…早く元気になれよ」
「そうですね。早く治して隊に戻らないと。ここのところ永倉さんに私の仕事を任せ切りですから」
くすりと笑う沖田の顔を、襖から漏れる日が照らす。
ふと、土方は視線を鋭くして、眉間に眉をぐいっと寄せた。
そうして不機嫌そうに、ふっと息を吐く。
沖田がここからいなくなる未来を嫌でも想像出来てしまうことに、土方ははなはだ嫌気がさしたのだった。
沖田総司 Fin.
(沖田くん1度は書いてみたかったんです…山田さんが演じた中で1番と言っても過言ではないほど好きでした…いや今も好き……
話の語りや台詞を司馬先生の書き方に寄せるのも何だか楽しかったです！！もしかしたらあまりに好きすぎてまた書くかもしれません笑)
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楠木りずむ(プロフ) - 山田さん» わー嬉しいです！私も、この後倒れないかなぁと思っていて…(←)こちらこそ読んでくださりありがとうございます！！ (2022年4月17日 23時) (
レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
山田(プロフ) - 最高です！実はこの後風邪ひかないかなぁとか思ってたので笑まさか書いてくださるとは！ありがとうございます！ (2022年4月17日 22時) (レス) @page24 id: 540a0b00e3 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - @saku_raさん» お返事遅れてすみません汗 すみません、リクエストは受け付けてないんです……(><)申し訳ないです！でもコメント、本当に嬉しいです！ありがとうございます！！ (2022年3月29日 20時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
@saku_ra - おねむ、私も大好きです！また書いていただけますか？次書く時は眠くて少し幼くなってしまってみんなメロメロになる話がいいです！お願いします！投稿頑張ってください！ (2022年3月26日 11時) (レス) @page12 id: b6ea1c7687 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - kainさん» 嬉しいです…！！ありがとうございます！(*´∀︎`*) (2022年3月4日 7時) (レス) @page12 id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
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