Parallel World

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宏太side



ちらり、と後ろを振り返ると、確かに今朝よりも顔を青白くした涼介床に座っていて、その隣に瓜二つの顔が並んでいた。



セ「涼介さんっ、皆さん、凄いですね！僕も回ることは出来るんですけど…」

涼「……まわる……？」

セ「はいっ。くるくるーって回るんです」

涼「…………おれも、できるよ」

セ「ほんとですかっ？じゃああとで、いっしょに回りましょっ！」

涼「うん。まわる」




ふわふわとかもやもやとか言っていた、なんて裕翔から聞いたけど……多分、若干の気持ち悪さと多少の目眩とかだろう。

………貧血、かな…




自覚してないみたいだけど、正直もう寝かせてやりたいなぁ…笑

とはいえ、無理やり寝かせると嫌がられるし。
ここは申し訳ないけど、セミオに任せとこう。


そういう意味を込めてセミオに目線を送れば……セミオは確実に俺の意図を読み取ってはおらず。
笑顔でこちらに向けて手を振ってきた。


……………大丈夫だろうか………笑







.






それから、数分。

レッスンにも熱が入り、皆の顔に汗が滴る、そんな時。





それは、突然だった。




セ「涼介さんっ！？」




……デッキから流れていた音楽に負けない、大きな声。


反射的に振り返れば、座るセミオに、だらりと体を預け青い顔をしてる涼介の姿があって。



宏「っ涼介…！」




思わず、俺は。

練習そっちのけで、涼介の元へと走り出した。

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