NINE colored gems

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侑李side



ペリドットの声と共に、みんなが走り出していく。


……待機、か。
そりゃ、被害者の情報は出てないしそうなるけど………






僕が不満なのは、この男と2人きりのこと。


気まずい、というより。

人間味を感じないような無表情で、走り出す皆に目もくれずにパソコンを見るサファイアが、ただただ不愉快だった。




無意識に、彼を睨んでしまう。

兄は本心が全く読めないし、弟も全然喋らないし。

本部長は本当に、なんでこの2人をチームに入れようとしたのか疑問だ。




慧「………涼介……？」



………そんなこと考えていた時。


ずっと表情を崩さなかったサファイアが、驚いたように窓の外を見た。






………えっ……？



侑「…なんで…」



見ると、明らかにこっちに向かって走ってくるガーネット。

もちろん周りに他のメンバーはいなくて、ガーネットだけ。



サファイアがガラッと車の扉を開けると、タイミングよくガーネットが飛び込んできた。



慧「どうした？……爆弾は？」

涼「………」

慧「…口、開けて」



走ってきたから、少しだけ息を乱しているガーネット。

微かにあけられた口にサファイアが入れたのは………



…………薬…？




何の薬……？



白いカプセルの中に、変わった色の粉が入っている。

僕は医学に長けている方だけど、あんな薬見たことは無い。



………病気、なの？
なんの？？




涼「………慧……」






………ごくん、と、その薬を飲んだガーネット。



僕は、初めて、彼の声を聞いた。

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