JUMP家 〜病系３〜

宏太ストレス ２ ページ8

光side


圭「最近宏兄、ピリピリしてるね」

宏兄が出ていったあと、圭人が口を開いた。

裕「忙しいんだよ、多分…」

雄「大貴、大丈夫？」

大「うん…でも俺、嫌われちゃったかな」

大貴はさっき宏兄にきつく言われて、少ししょんぼりしていた。

涼「宏兄は、大ちゃんが嫌いなんじゃないと思うよ？宏兄もいろいろあるんだよ」

と、優しい笑顔を浮かべた涼介から言われて、大貴はすぐに元気を取り戻してた。

恐るべし涼介パワー…

にしても…多分宏兄、相当いろいろ溜め込んでると思うんだよね…

長男だからって、絶対俺らには言わないだろうけどね。



あれから４日がたった。

宏兄はさらにピリピリしていて、今じゃ誰も近寄れない。

涼「こ、宏兄…」

宏「なに」

少し悲しそうに笑って

涼「…なんでもない…」

と涼介。

愛しの涼介にだってこんな態度…

宏「もう寝る」

光「お、おう」

思わずぎこちなく返事をしてしまった。

今日も８時くらいに部屋に向かう宏兄。

朝早く起きて病院に行くため、最近はいつもこうだ。

それから３時間、皆が眠りについたあと、俺もそろそろ寝ようと部屋に向かった。

「ハァ…ハァ…」

部屋に向かう途中で聞こえた荒い息。

涼介…？いや、涼介たちの部屋からじゃない。

光「宏兄…？」

俺はコンコンっとノックをして、ゆっくりと宏兄の部屋を小さく開けた。

宏「ハァ…ハァ…」

光「宏兄！」

小さな隙間から見えたのは、汗をかいて荒い息を繰り返す宏兄。

俺は慌てて宏兄に駆け寄った。

光「宏兄！分かる！？」

宏「ハァ…ハァ…ひ、かる…ハァ…」

触れると凄い熱であることがすぐ分かった。

とりあえず、体温計を宏兄の脇に挟み、なるのを待っている間に、冷えピタなどの看病道具を持ってくる。

皆は寝ているので、なるべく静かに。

そうして戻ったとき、タイミングよく体温計が鳴り響いた。

光「ちょっと取るね」

宏兄から体温計を取って見てみると、38.8の数字。

マジか…

本人に言うと多分余計怠くなるから、あえて言わず、汗を拭いて冷えピタを貼る。

すると、不意に宏兄が俺の腕を掴んだ。

光「どうしたの？」

宏「は…く…」

光「ええぇ！？」

万が一のために持ってきていたバケツを慌てて渡すと、

宏「うっ…おえぇぇ…ハァ…ハァ…うぇっ」

我慢していたものがあふれでて、俺は背中を擦る。

宏「も、いい…」

そのまま倒れるように、宏兄は眠ってしまった。

俺はそのあとも、宏兄から離れなかった。

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