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涼介side



涼「俺の兄が警察なんです!このままじゃ……兄が危ないかもって事ですよね……!?」


俺の問に………気まずそうに頷いた圭人さん。



警察にどんな恨みがあるかは分からないけど……とにかく、大ちゃんを助けないと。

けど………出られない今、どうやって助けるんだよ………




…………とにかく、俺に出来ることをやろう。

圭人さんは、裕翔先生がぶつぶつ喋ってたって言ってた。

俺はそれを………聞くことが出来る。




耳を、壁に押し付けて。
ゆっくりと、目を閉じた。









『涼介』




涼「…え……………?」









てっきり、今日行うことが聞けるかと思った。



………けど、想像していた声よりも、優しい声で。


もしかして……俺がこうやって、声を聞くことをわかって………?






『きっと今、訳も分からず圭人と2人で、しかも話もできない状態で……心細いと思う。玄関のドア、朝の6時にロック解除される安心して?』

涼「裕翔先生……」

『………どうしても、こうしなきゃ行けなかった。俺は頭が悪いから、こうすることしか出来ないんだ』



先生の顔は、もちろん見えないけど………声で分かる。

苦痛な表情を浮かべてること。



『ごめん涼介。俺は…………医者失格だ………』

涼「………」




『………俺は、警察に恨みがあった。それはもう、分かってると思うけど………その恨みを、有岡さんに、今日向けます』







やっぱり……………




大ちゃんの名前が出た途端、ドキリと背筋が凍った。




『けどもちろん、有岡さんに恨みがあるわけじゃない…………有岡さんにも、申し訳ないと思ってる………涼介の大事な兄ちゃんだもんね』



それを分かっててもなお………裕翔先生は、ずっと考えていたらしい復讐を、今日果たしにいった。


どうして…………?
なんでそんなこと………




『……………涼介には、話さなきゃいけないね。…………俺らの両親は、今、いない。この世にいないんだ』

涼「え………」

『俺らの親は、逮捕された。殺人の容疑だそうだ。……………でも、俺には分かる。母さんたちには殺せない。だから絶対母さんたちじゃない………………それなのにっ……………警察は、母さんたちが犯人だと信じて疑わなかった』





…だから…………警察を………




『取り調べという名の拷問に耐えられなくなったんだろうね。母さんと父さんは………揃って、自ら命を絶ったんだ』

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しょりれん - 完成度が半端なくてびっくりしました! (2021年11月25日 20時) (レス) @page50 id: 103108e9a9 (このIDを非表示/違反報告)
海音 - この話とても面白くて度々読み返しに来てます!りずむさんの作品全て好きです!新作の更新も頑張ってください!楽しみにしてます^^* (2020年11月17日 23時) (レス) id: f3a5bd6aac (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - すごいですね!これからも他の作品で頑張ってください!!! (2020年8月20日 7時) (レス) id: 4766001341 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - いろはすさん» コメントありがとうございます!そのとおりです〜!お名前だけお借りしました笑 (2020年5月20日 21時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
いろはす(プロフ) - 女の子の名前は古畑中学生ですね!!どこかで聞いたことあるなと思ってました笑 (2020年5月20日 18時) (レス) id: c890c969a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:楠木りずむ | 作者ホームページ:楠木りずむ  
作成日時:2020年2月22日 19時

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