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涼介side
「…けく……ぅすけくん……涼介くん！」
……すぅー…っと、意識が戻ってくるのを感じた。
ゆっくりと目を開ければ……少し眩しい、病室。
でも、普通の病室じゃない………ICU、か…
「涼介くん、分かるかな」
そばにいた、お母さんより少し年上くらいの看護師さんと目を合わせて、パチリと瞬きをした。
ふわりと笑いかけたその人は、待っててねと頭を撫でてパタパタと離れていく。
………あー………俺、手術してたんだっけ………
あ…………
……………心臓が……痛く、ない。
心なしか、呼吸が楽になってる気がする……
少し動いてみると……別の場所が痛んだ。
涼「…く…ぅ…っ」
「涼介くん、おはよう。……鎮痛剤」
「はいっ」
痛みに耐えていたその時…先生と、さっきの看護師さんがやってきて。
すぐに点滴がうたれ、少しだけ痛みが和らいでいく。
……ほんとに、少しだけど。
「繋がれてる管がかなり痛いと思うけど、これは君の心臓のためだ。…………手術は、成功だよ。よく頑張ったね」
“よく頑張った”
………ぽふんと、頭に乗った先生の手。
なんだか、目が熱くなった。
じんわりと先生の顔が歪み、目から流れ出たそれが枕に伝っていく。
思い出したのは、家族だった。
……たった、2人の家族。
だけど、無性に会いたくて。
それから、裕翔先生にも会いたくて。
心臓が、痛くなくて。
正常で。
先生が優しくて。
色んなことが押し寄せて、涙が止まらない。
「あはは、安心しちゃったかなぁ？もう少しだけ、先生と頑張ろうね」
こくんと頷いた俺に、先生はまた優しく目を細めた。
大「涼介！」
母「涼介…！」
ICUに入ってきたふたりに、俺と話す前に先生は軽く説明をして。
ようやく話し終えたふたりは、やっと俺の方を見た。
大「…っ………」
涼「……なんで………なくの……」
大「いや……っ」
自分だってさっきまで泣いてたくせに、こんな時でも俺は強がってしまうらしい。
ぽろっと涙を零し、慌てて拭う大ちゃんに微かに笑ってみせる。
母「……良かったわ…もう、命のリミットは無くなったと思っていいって、先生が」
まだ痛いだろうし、定期的に検査はしないとだし、薬も必要だし、寝たきりだから歩けるようになったらリハビリもしなきゃいけない。
けど………どれも、俺には希望のある行動で。
どんなに辛くても、頑張れる気がした。
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しょりれん - 完成度が半端なくてびっくりしました！ (2021年11月25日 20時) (
レス) @page50 id: 103108e9a9 (このIDを非表示/違反報告)
海音 - この話とても面白くて度々読み返しに来てます！りずむさんの作品全て好きです！新作の更新も頑張ってください！楽しみにしてます^^* (2020年11月17日 23時) (レス) id: f3a5bd6aac (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - すごいですね！これからも他の作品で頑張ってください！！！ (2020年8月20日 7時) (レス) id: 4766001341 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - いろはすさん» コメントありがとうございます！そのとおりです〜！お名前だけお借りしました笑 (2020年5月20日 21時) (レス) id: cd22ea486d (このIDを非表示/違反報告)
いろはす(プロフ) - 女の子の名前は古畑中学生ですね！！どこかで聞いたことあるなと思ってました笑 (2020年5月20日 18時) (レス) id: c890c969a8 (このIDを非表示/違反報告)
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