そこに耳をあてたとき 〈2〉

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涼介side






光くんに背中をさすられ、咳もすぐに治まった。


光「平気？」

涼「はい…全然」



もう心臓は弱くないはずだし、大丈夫。

………の、はずなのに。



突然出てきた咳に、嫌な感じを覚える。

別に喘息って訳でもないし………風邪の引き始めかな……？



ゆ「大丈夫ですか……？」

涼「うん、ごめんね。全然大丈夫だよ」



ゆかちゃんの頭を撫でながら、自分にも言い聞かせるようにそういった………その直後。


さっきのフロアと同じように、モニターにMr.RPが映し出された。




【第2ステージ到達、おめでとうございます！さすが…！！こちらではさっき言った通り、脱出ゲームをしてもらいます♪】

明「もう………いい加減早く帰してちょうだいよ！こんなことやってても意味なんて…【ルールはもちろん、普通の脱出ゲーム同様！】




明日香さんの声を遮るようにそう言ったMr.RP。


………ふと、違和感を感じた。



第1フロアでも、そうだった。
こっちの声を遮って、RPは一方的に説明するだけ。


俺たちは、無意識にMr.RPがあのモニターからこっちの様子を見ているものだと思っていたけど………ただ、事前に撮った映像を流しているだけだとしたら。

そんな面倒くさいことをするのは、この時間どうしてもあのモニターに映る事ができないから。



つまり………このゲームの参加者である、から……？






かっちゃん、みゆきちゃん、ゆかちゃん、光くん、幸平さん、明日香さん、そしてお婆さん………



もしこの中に、Mr.RPがいるとしたら。

可能性は……ゼロじゃない。




【5分以内にカードキーを見つけて、そこの扉にタッチ！！！簡単でしょ？？】




………ダメだ。

今はまず、この脱出ゲームのことを考えよう……





【ただ、カードキーは偽物もあるからね…！1回間違えて偽カードをスキャンしちゃうと、その人の首が吹っ飛んじゃうから、気をつけて〜！！】

【5分を過ぎちゃった場合は、もうこの部屋ごと爆発しちゃうよ…！それも気をつけて！】

【それじゃ、最後のフロアで待ってまーす】






【よーい………スタート！！】

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