養護施設 “輝希”

翌日 ページ8

大貴side



大「ちょーっとビックリしたかな？」

涼「………う、ん」

圭人くんがパニックを起こし、それを放心状態で見つめていた涼介。

突然のことだったから、少しビックリしちゃったみたい。

まぁ確かに、あんな風に激しくパニックを起こす子は今までいなかったからな……


大「圭人くん治まったみたいだし、涼介ももう寝な？」

涼「………………圭人くん………大丈夫…？」

大「うん、大丈夫。心配してくれてありがとな」

涼「…………そう」


まだ少し放心状態の涼介を横にすれば、すぐに目を閉じてすぅすぅと寝息をたてはじめて。

そのとなりに、気を失ったように眠る圭人くんを寝かせた。


雄「なにを思い出しちゃったんだろうな、圭人くんは」

光「やっぱり………お母さんのことかな…？」

宏「………多分な…」


圭人くんの過去は、資料で確認はしたけど……それでもやっぱり詳しくは書かれていなかった。

何がパニック障害を引き起こしたのは、まだ分からないけど………今後もしっかり見てやらないとな。





翌日。

すっかり体調が戻った涼介は、いつものように光くんとご飯を作りはじめて。

圭人くんは、記憶は曖昧だったけど………部屋を片付ける光くんや高木を見て、何かを察したらしい。


圭「あのっ……ほんと、ごめんなさい……………」

光「いいんだよ、気にしないで？」

圭「でも…………」


ひたすら謝ってくる圭人くんは、とうとう涙をポロポロ溢し始めた。

泣かせるつもりはなかったんだけどな………



……そんな圭人くんを、落ち着かせるのは。

昨日こんな騒ぎがあったにも関わらず、ぐうぐう呑気に寝入っていた、元カウンセラーの伊野ちゃんの役目だったりする。


慧「圭人くん。1回お話ししよっか。ね？」

圭「ん……」

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