原因は ページ37
大貴side
「ひっ………」
……その声にドキンとして…咄嗟に俺らはバッと振り返った。
こんな映画見てるときにいきなり後ろから声がするなんて……すっげぇビックリしちゃって。
気配なんて全く感じなかったし………
………だけど。
「っ、は…っ、はぁっ、」
慧「…涼介…？」
…薄暗い部屋で見えたのは…涼介で。
その影は、激しく肩を上下させながら…床に膝をついて。
雄「涼介…！」
大「涼介ー？大丈夫だからな、高木電気つけて！」
内心焦りながらも、パチッという音と共に明確に見えるようになった涼介の背中をさすった。
慧「1回横になろうか」
雄「ゆーっくり息するよー、大丈夫だよー」
涼「ひぅっ…はぁ、はぁっ！はっ…！」
安心させるような言葉を口にしながら、目尻の涙を拭ってやる。
……ふと、目に入ったのは…涼介の足元に落ちていた、映画のディスクケースで。
一応そのケースを隠してテレビを消し、脱力しながら激しい呼吸を繰り返す涼介に声をかけ続けた。
大「ながーく息吐いてごらーん？ゆっくりねー」
涼「………はぁ…っ………、ん…」
慧「……治まってきたかな………頑張ったね、涼介」
涼「…っ………」
こくんと頷いた涼介に、ホッと胸を撫で下ろす。
大「水のむ？………今持ってくるね」
こんな夜中に、静かにリビングに来たのは…喉が乾いたからなようで。
ペットボトルにストローを入れて口元に持っていくと、涼介は少しだけちゅーっと水を吸った。
雄「疲れたろ？寝ちゃいな？」
涼「…ん……」
雄「おやすみ」
高木の声で、涼介はゆっくりを目を閉じて……やがて、静かな寝息をたて始める。
とりあえず、良かった……
高木が涼介を部屋に連れていっている間、俺たちはソファでボーッとしていた。
……もう、映画を見る気にはなれねぇ…
慧「…涼介、ホラー苦手だっけ？」
大「いや……血とかは全然平気だって言ってたけど…」
…なんで、いきなり過呼吸になっちゃったんだろ。
怖い話とかもたまにしてるし、妖怪も好きだし……ホラー映画を一緒に見たことはないけど、苦手だという話は聞いたことがない。
第一……俺らがこのソファに座ってたら、後ろからはテレビが見えないはずだし………
雄「寝かせてきたよ」
大「……今日はもう寝よっか」
慧「…そうだね」
結局、原因はよく分からないまま……俺たちも、自分の部屋に戻ることにした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 728人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かの(プロフ) - 楠木りずむさん» ほんと、そうですよね〜 (2019年10月5日 18時) (
レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - かのさん» 不謹慎だけど！申し訳ないけど！やっぱり病系っていいですよね！！笑 (2019年10月3日 21時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - はるさん» 仲間がいて嬉しいです(*´∀｀)倒れ方プロですよね(は)本当に上手すぎますよね！！ (2019年10月3日 21時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - 私も、不謹慎ながら病系が好きです！（結構重めの） (2019年10月3日 19時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 私も不謹慎ですが病系好きです。セミオが倒れるときあーセミオー！って感じでした。山田さんの顔の表現力尊敬します (2019年10月3日 18時) (レス) id: 6c02acd669 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
