養護施設 “輝希”

侑 ページ15

宏太side



あれから、数日が経って………

裕「侑李ー、圭人ー、雄ちゃんたちもご飯だって〜」


……圭人もだんだん、輝希に馴染めてきたみたい。


ほんとの兄弟みたいに過ごしてる姿を見て、ひと安心する俺。


…………だけど…………そんな空気は、ある出来事を機に、一変した。




侑「……離せ…！」


ことの始まりは、夕方。

光がおやつをつくって、大ちゃんと伊野尾が買い物にいって、裕翔と涼介は自室で勉強し始めて………俺と雄也で、遊んでいる侑李と圭人を見ていたとき。

途中から侑李の元気がなくなってきて、端っこで大人しくしだして。

どうしたのかなと思っていれば、圭人が侑李に話しかけて、手を引っ張った。


そして。

………パッと手を払いのけた侑李は、悪びれた様子もなくそっぽを向いて。


突然怒鳴られ………固まる圭人。


……………もしかして……？


宏「侑、か…？」

侑「……………なに」


あぁ、やっぱり………久々に、侑李のもうひとつの人格が出てきちゃったみたい………



雄「俺とりあえず涼介呼んでくる」

宏「あぁ、頼んだ。圭人、こっちおいで」

侑「チッ…………」


あぁ、舌打ちなんてしないでおくれ。

侑李が侑になっているときは、少しでも機嫌を悪くすると……暴走したように暴れまわる。

少し気性が荒い性格なのだ。

だから、こっちはいつもヒヤヒヤしちゃって。

もちろん侑だって大切な家族だから、嫌いとかそういう感情ではないんだけど。

反抗期の子供のさらに反抗的な、そんな子供をもった気分だ。



………そんな侑が、何故かなついているのが……



涼「侑…？」

侑「………あ、涼介」

涼「うん、久々だね」



……涼介だったりする。

カップケーキ→←笑顔

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す