続・MAGIC WORLD ー英雄の子ー

＊ ページ19

裕翔side



………地面が割れるんじゃないかと思うほどの、大きな雷。

God's anger………神の、怒り。

まるで本当に、神からの雷が落ちたみたいな……そんな、とてつもない光と音が放たれた。

裕「ケホッ、ケホッ……」

辺り一面砂埃が立ち上げ、たまらず目をつむる。

そして、静寂が走り、次に目を開けたときには…………

光「涼介様！！」

裕「っ、ヤマ！！」


…………蛇の男と、ヤマは………地面に倒れていた。



裕「ヤマ…！ヤマ！？」

急いで近づいて、ヤマの体を揺する。

それでも反応はなくて、固く閉じられた目に……冷や汗がぶわっと吹き出た。

嘘、もしかして………いや、まさか………

最悪の事態を想定しては、頭の中でかき消していく。

裕「ヤマ！ねぇヤマ！」

圭「裕翔様…！少し見せていただけますか…！？」

たくさんの薬を持つ圭人にヤマを託せば、ヤマを軽々と抱えた圭人。

そのまま、ヤマのあちこちをさわって、じっくりとヤマを見て…………

圭「………大丈夫です……息はあります…！体力の消耗が激しく、気絶してるだけです！」

そう言って、笑ってくれた。


……一方の蛇のボスも、気絶しているだけだった。

あの大きな雷をもろに受けていれば死んでいただろうけど……ヤマはどうやら、わざと稲妻の中心を外したらしい。

たとえ罪人であっても、できる限り死者は出さない。ヤマらしい考え方だな……

………つまり。

…ヤマは、この年で……誰ひとり殺さず、この世界を、救ったのだ。

新たな、英雄が………ここに、誕生した。

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