* ページ12
光side
……ずっと、罪悪感はあった。
私に向ける優しさや笑顔は、蛇の奴らより数倍あたたかくて。
いつのまにか、涼介様に仕えることが心地よくなっていて………気づけば、裏切りたくない、蛇を抜けたいと思っていて。
そして、それが………最悪の形ではあるけれど、ようやく叶った。
慧「……全く、涼介様はお人好しだなぁ」
涼「………伊野尾先生…………あなたには、感謝しないと」
慧「ん〜?なにが?」
………正直………伊野尾がいなければ、今ごろ涼介様を殺していたかもしれない。
伊野尾の魔術があったから、涼介様は今生きていられるし……私もこっちに戻ってこれた。
きっと山田家の大半は私を許しはしないだろうけど……このご恩は、一生かけて返さなきゃいけない。そう思った。
蛇「もっとドロドロした裏切り劇が見れると思ったのになぁ?」
………冷たい声。
不意に響いてきて、ぎゅっと杖を握った。
その声を発した張本人を、思いっきり睨む。
……もうこいつは、仲間じゃない。
俺の仕事は…………
雄「…………涼介様を、お守りする」
光「っ、高木………」
雄「……説教はあとでみっちりやるから。…次裏切りでもしたら、命はないと思って」
俺のとなりに来て、俺を見ずにそう言った高木に………なんだか、少し涙腺が緩んだ。
こんな俺なのに………隣で一緒に戦ってくれる人がいるのが、どれだけ心強いか。
…………やってやる。
涼介様を、お守りする。高木と、皆と共に。
こぼれ落ちそうになる涙を親指で拭い、再度蛇のボスを睨んだ。
蛇「…殺れお前ら。あいつら全員ぶっ殺せ!……もちろん、光もな?」
涼「っ、はぁっ、はぁっ…………っ」
裕「…っ…ヤマ、大丈夫…!?」
涼「はぁっ………大丈夫っ、まだやれる…っ」
………荒い呼吸。
大きく肩を上下させながら……涼介様が裕翔様にそう言う。
ヤバイ……
人一倍魔力を持つ涼介様。その分、体力の消耗も激しくて。
そしてさらに、俺らの魔力が……そろそろ、限界に近づいていた。
魔力は無くなったら、魔法が発動できない………
これ……最後まで持つか………?
蛇「クソッ………お前ら畳み掛けろ!向こうはもう限界近いぞ!!」
敵の数は、残りわずか。
先に全滅させるか……それとも、俺らの限界に達するか。
どっちが、先だ……………?
405人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
楠木りずむ(プロフ) - JUMPLOVEさん» 嬉しいです!!こちらこそ最高のコメント、ありがとうございます……!これからもよろしくお願いします…!笑 (2019年6月15日 19時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - 楠木りずむさん» 完結おめでとうございますっ!!コメントしてませんでしたが、毎回更新されるたびに見てましたよ!!本当に最高な作品ありがとうございました!!! (2019年6月13日 18時) (レス) id: f4e667ae46 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - NMダイキング担さん» こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございます!!そう言って頂けて安心しました…!またよろしくお願いします(*^^*) (2019年6月13日 13時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - 完結ありがとうございます!!最後まで楽しませていただきました!面白かったです!!! (2019年6月13日 12時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 祐莉さん» いえいえです!鋭くてビックリです!笑 こちらこそ本当ありがとうございます!答えられる範囲で答えますのでこれからもよろしくですm(*_ _)m (2019年6月6日 12時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ