マネージャーの、山田です。

変……？ ページ36

侑李side



侑「ねぇ、僕気になったんだけどさ」

慧「んー？」

宏「どうした？」

ゲームをしながらそう呟けば、すぐに反応するふたり。

ちなみに今はゆーてぃと圭人が撮影中で、雄也とヒカと大ちゃんは順番待ち。

つまりここには、このふたりしかいない。

ほんとは、皆の前で言おうと思ってたけど……まぁいいや。

侑「涼介のこと」

慧「やまだぁ？なんかあった？」

侑「いや、なんかあったっていうか……ずっと気になってたことというか」

宏「言ってみ？」

別に、嫌なことをされたとか、直してほしいこととか、そう言うわけではない。

ただ…………ずっと引っ掛かってた言葉があるんだ。

侑「この前、ゆーてぃと喧嘩してたじゃない？」

あれからはゆーてぃの撮影も終わって、ピリピリしていた楽屋もいつのまにか元通り。

ゆーてぃと涼介も、元通りどころか前より仲良くなってる気がする。

宏「それがどうした？」

侑「ふたりがここで言い合いしたときにさ、涼介言ってたじゃん」


“っ、今回の役は確かに難しいよ？だけど！だからこそ冷静にならなきゃ役は降りてこない！”


侑「その………言ってることが、なんていうか……さ？」

宏「ええ、なに、どゆこと」

慧「……素人に分かるわけないようなことをなんで言えるんだ、ってこと？」

侑「んー……言い方悪いけど、そういうこと。涼介って、演技の経験あるのかな」

あんな的を得たこと言っちゃって…。

この前ゆーてぃが演じていたのは、主人公の探偵の助手であり、無口で、いざとなったときにしか目の色を変えない男。

視聴者からすれば、ボーッとしてるだけなんだけど……

目線の移し方を変えたりすることで主人公に意思を伝えたり、無表情のなかで感情をだす部分もあって………ほんとはすごく難しい、役者泣かせな役どころだったんだ。

それを1年目の、ましてや素人のはずの涼介がしっかりと理解してて。

まるで経験があるかのように喋っていて。

宏「ああ、そういうこと………どうなんだろ、聞いたことないけど」

慧「…過去についてはちょっと聞きづらいしね」

まぁ別に、大して気にすることでもないか……

部活とか習い事でやってたって可能性もあるし。

………ただ、なんというか。

涼介については分からないことが多いから、少し、気になるだけ………

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