マネージャーの、山田です。

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宏太side



宏「ペアでダンスなんて、カップルみたいだな」

光「うるせぇよ」

カメラが回ってるスタジオの中心で、そんな会話をしながら軽く踊る俺と光。

大「フーフー！！」

侑「いいよいいよー！」

その周りで、茶々を入れてくるメンバー。

………うるせぇよ。さっき光が言った言葉をコイツらに言ってやりたい。

「もうちょっと微笑む程度でー！」

光「ほれ、笑顔すぎるんだよ薮」

宏「微笑むって一番苦手なんだよな……」

0か100しか出来ないんだよ、俺は。

俺のアイドルらしからぬ言葉に苦笑しながら、光は軽くリズムをとって。

……おお、今のをスローにしたら絶対かっこいい、間違いない。

そんなことを思っていれば、光がちらっと、俺から視線を外した。

視線の先は………大体想像つく。

宏「……涼介、だろ？」

光「あぁ………大丈夫かな、あれ」

俺も、一瞬視線を動かした。

周りのスタッフさんが立っているから気を遣っているのか……スタジオの端で、立って俺らを見ている涼介。

………いや、見てはいない、か……？

顔はこっちに向いてるけど、なんとなくボーッとしているような。

宏「まずいな…」

そう呟いた途端……涼介の体がふらりと揺れた。

光宏「「あっ…！」」

「OKです！次中島さんと岡本さんお願いしまーす！」

………幸い、壁に寄りかかって倒れることはなかったものの……今にも崩れ落ちそうな山田の体。

カットがかかった瞬間に、俺と光はダッシュで山田のもとへ向かった。



宏「山田？おい、大丈夫？」

壁によりかかる山田の顔を覗きこんで、ちょっとびっくり。

顔色は白を通り越して黄色くなり、唇もカサカサで……目の下の隈がより引き立ってて。

虚ろなゆらゆらとした目が、ゆっくり、ゆっくりと俺の方へ向いたと思えば……

宏「おっ……と…大丈夫か？」

涼「んんっ…………」

ぐらっと体が傾いて、俺の方に倒れてきた。

光「山田ー？………山田？聞こえる？……意識飛んだわ」

宏「えっ、マジ？」

通りで体が重いわけだ………

宏「ちょっ……楽屋運ぼ、手伝って」

光「あ、待って起きた、山田？今から楽屋で休もうな。辛いだろ、目瞑ってな？」

どうやら気絶をしたのはほんの数秒だったようで、すぐに辛そうな呻き声が聞こえてきて。

俺と光で涼介の両肩に手を回し、かろうじて意識のある山田と楽屋へ向かった。

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