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大貴side
先生をベッドに寝かせ、俺は急いでパソコンを買いにいったけど…栄養不足な体は、寝ただけでは良くならなかった。
大「何か食べましょう。もう何日も口にしてないんですから」
涼「…食欲ない……」
大「それでもなんかしらは食べないと」
十分寝たはずの先生は、さっきよりも血色はよくなったものの、相変わらず青白くて。
先生の脚の下にクッションを置いて高さを出して、目の上に蒸しタオルを乗せてあげた。
大「目眩は?」
涼「ん……ちょっと良くなってきました」
大「じゃ、安静にしててくださいね。ご飯作ってきます」
俺が作ったお粥は完食できなかったものの、少しは食べられた。
食べたから原稿書かせてください、なんてお願いされたけど、さすがにそれは無理で……とりあえずまた寝てもらうことに。
涼「さっき散々、寝たじゃないですか…」
大「そんなこと言って疲れてきてるくせに」
涼「……ご飯食べただけでしょ。話し相手になってください」
素直じゃないなぁ……目トロンとしてるのに。
大「じゃあ……先生、絶望の感情が足らなかったんでしょ?どんなシーンなんですか」
涼「……ラストシーン聞きたいんですか?変わってますね」
大「先生に言われたくないです」
俺は編集者。
原稿のチェックは毎度のこと。
だからどうせ、発売前から物語は知ることになるし………なんならもう途中まで内容しってるし。
しょうがないなぁ…と言いながら、少し嬉しそうな先生。
俺は編集長にメールを返しながら、耳を傾ける。
涼「主人公の大介は、ピアニストになる夢を持った妹に怪我を負わせてしまいます。そこで妹は、一生腕と足が使えないことを宣告されてしまう。夢も諦めざるを得なくなり、責任感の強い大介は自分を責めます」
大「ほう……それで?」
涼「その妹はピアニストになる夢を諦めきれず、麻痺した腕でピアノを弾きますが…それがさらに大介を苦しめ、家を飛び出してしまいます。しかし、偶然出会った先輩に諭され、しっかり妹と向き合おうと決意するのです」
大「へぇ……じゃあ、ハッピーエンドなんですね」
涼「いえ………ところが、先輩と家に帰ってくると、家が………………………」
…………ん?
突然聞こえなくなった声に目を向けると、目をつむってる先生。
……やっぱり眠かったんだ。
さっきよりも穏やかな寝顔に、少し安心。
自然と笑みがこぼれた。
……けど………
…続き、めっちゃ気になるじゃん……
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ずみ - 完結おめでとうございます。ありやまの新しい関係性と山田さんの儚い個性と一般人とはいえ一般人では無い世界観に、あっという間に吸い込まれました。他の作品も読ませていただきたいと思います。 (2020年12月13日 11時) (レス) id: 8b98f4e28d (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - kanさん» ありがとうございます!気づかなかったですか…!気づいてくれるのも嬉しいし気づかれないのもなんか嬉しいです……!笑 次回作もよろしくお願いします! (2019年4月5日 10時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
kan(プロフ) - 完結おめでとうございます!今回も楽しく読ませて頂きました^ ^まさかメンバー全員の登場!そして裕翔くんの名前にはカラクリがあったなんて…!?全く気づかずに読んでました笑次回作も楽しみにしてます! (2019年4月4日 0時) (レス) id: 7f5ec1a8f4 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 恋した月さん» ありがとうございます!次回作もよろしくお願いします!笑 (2019年4月3日 22時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
恋した月(プロフ) - すっごく面白かったです! (2019年4月3日 9時) (レス) id: d6f1a4b68b (このIDを非表示/違反報告)
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