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大貴side
涼「………同級生」
大「え……？」
涼「……来たんです。さっき」
ポツリ、と話し始めた先生。
依然として視線は動かさずうつむいたまま座り込んでいて……俺は、先生のそばにしゃがむ。
それでも、先生の表情は、前髪が邪魔をしてうまく読み取れなかった。
涼「…中学生までの同級生でした………大っ嫌いな、同級生」
大「嫌い…………」
涼「うん。…………2度と会うことなんてないと思ってたのに」
大「どうして…………どうして、嫌いになったんですか……？」
……本当は、こんなこと聞いちゃいけないかもしれない。
デリカシーのないやつ……って、思われるかもしれない。
でも、今しかないと思った。
先生の過去を知って、支える……そのチャンスが。
涼「………デビュー作、覚えてますか」
大「先生のですか…？ええっと…………“エンディングロード”でしたよね」
“エンディングロード”は、主人公の復讐劇を描いた物語。
両親を殺され悔やんだ主人公、伊ノ高が、その犯人と思われる人を片っ端から復讐するも……両親が指名手配されている殺人犯であったと分かり、あまりの苦しさから自宅に火を放って自ら命を絶つ……悲しい結末だった。
数年前、初めて先生の作品を読んだとき……それはもう、驚いた。
技術も表現力も物語も……あまりに素晴らしすぎて、リアルで、引き込まれて。
涼「有岡くん、今になって不思議に思いませんか」
大「……何が、ですか…？」
涼「自分を実験台にして小説を書く皐月涼が……何故あの時、あんなにリアルに火事に苦しむ描写を書けたのか」
………言われてみれば、そうだ。
今は、まるで普通のことのように自分を犠牲にして、小説にリアリティを持たせている先生。
デビュー作の時はそんなことなかったにも関わらず……恐ろしいくらい、火事の描写にはリアリティがあった。
大「……確かに…」
静かにそう言うと、先生は…おもむろに、カーディガンを脱いだ。
そして、中に来ていた黒シャツを…腕捲りする。
大「…っ…！！」
それを見た途端……言葉を失った。
顔と同じように、腕にも、真っ白な肌が繋がっていると思ってた……のに。
涼「……これ、火傷です」
先生の腕は……見るに耐えないくらい、くっきりと、火傷のあとが残っていた。
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ずみ - 完結おめでとうございます。ありやまの新しい関係性と山田さんの儚い個性と一般人とはいえ一般人では無い世界観に、あっという間に吸い込まれました。他の作品も読ませていただきたいと思います。 (2020年12月13日 11時) (
レス) id: 8b98f4e28d (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - kanさん» ありがとうございます！気づかなかったですか…！気づいてくれるのも嬉しいし気づかれないのもなんか嬉しいです……！笑 次回作もよろしくお願いします！ (2019年4月5日 10時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
kan(プロフ) - 完結おめでとうございます！今回も楽しく読ませて頂きました^ ^まさかメンバー全員の登場！そして裕翔くんの名前にはカラクリがあったなんて…！？全く気づかずに読んでました笑次回作も楽しみにしてます！ (2019年4月4日 0時) (レス) id: 7f5ec1a8f4 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 恋した月さん» ありがとうございます！次回作もよろしくお願いします！笑 (2019年4月3日 22時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
恋した月(プロフ) - すっごく面白かったです！ (2019年4月3日 9時) (レス) id: d6f1a4b68b (このIDを非表示/違反報告)
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