Daily of Novelist

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大貴side


涼「にゃー」

大「猫……？」

涼「そうです。猫ちゃん」

……見りゃわかるけど………

大「……って、手噛まれてるじゃないですか……痛みます？えーっと、絆創膏……」

涼「大丈夫ですよ？噛ませたので」

先生の手首あたりには、真っ赤な血がついていて。

結構ガッツリ噛まれたようで、大きな血の塊は今にも垂れてしまいそう。

確か、カバンに絆創膏が入ってたような……とカバンに手を突っ込んで、ガサゴソと漁る。

……てか…噛ませた、って…

大「何やってるんですか……というか、何にしたんですか」

涼「ひたすら威嚇してみました。痛いです。」

痛いというわりに、少し嬉しそうに笑った先生。

何がおかしいのか、フフっと笑う先生は、真っ黒な姿も相まって少し不気味だけど。

とうとう滴り落ちてしまった血がちょっと気になってきたので、急いで絆創膏をカバンから取り出した。

応急処置したら、とりあえず早く帰ろう。

早く帰って原稿をあげてもらわないと……あぁ、今日家に帰るのはいつになるんだ………

…先生の担当について、早2年。
ともなれば、こういうことも…正直珍しくはない。

恐らく先生が書く小説には、登場人物の誰かが猫に噛まれて手首を怪我するというシーンが出てくるんだろう。

そこを忠実に再現するために、わざわざ猫を探して、わざと噛まれたんだ。

………頼むから、無茶はしないでいただきたい。

ハンカチで血を拭いて先生の手首に絆創膏を貼ってやれば……はぁーと、ため息をつく先生。

涼「〆切、今日かぁ」

大「…間に合いますか？」

涼「…………間に合わせます」





………バタッ…

大「…先生？」

家について、夜ご飯くらい作ってあげよう…と優しい提案を思い付き、台所を借りて作業をしていれば………仕事部屋から、嫌な音。

急いで見に行けば、椅子に座って仕事に励む先生……ではなくて。
椅子の横の床に崩れ落ちたように座って、そばにあるベッドに手をついている先生がいた。

大「先生！！」

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