涼介、涼也、涼雅

〜１２〜 ページ14

Aside


あれから結局私たちはサボり、最後の６時限目だけ参加した。

梓には凄い心配されたけど、道に迷ったと言ったらバカじゃないのー！と笑われただけだった。

涼介はしばらく保健室みたい。

梓は、「大丈夫かなぁ…生徒会の仕事大変なのかなぁ」

とぼんやり呟いていた。

このとき、初めて知ったのは、９人の王子様の正体は生徒会ってこと。

それなりに大きい衝撃をうけた私。

そして帰り。

貴「梓かえ…ろっ！？」

梓と帰ろうとしたら突如腕を引かれ、そのまま走り出す。

頭、軽くパニック状態。

貴「え！？うぁ…ぅえ！？」

走りながらで、変な声が出る。

私の腕を引いて走るのは、少し小柄な男子…

貴「あっゆ、侑李！？」

侑「いいから早く！女子に見つかる前に！」

私と侑李が一緒にいると騒がれるから、皆が教室を出る前に急いで出てきたみたい。

気遣いありがたいけど、速い！転ぶ！

なんとかついていって、侑李が段々とスピードを落とした。

侑「ハァ…ここなら人通り少ないから…」

貴「ハァ…ハァ…はや…」

侑「ご、ごめん」

深呼吸を何回かして、侑李に聞く。

貴「ねぇ。どこ行くの？」

侑「保健室。あの９人も来るからさ。話しておこうと思って」

貴「場所言ってくれたら一人で行ったのに」

侑「バカなの？Aちゃん迷うじゃん」

あ、そっか…

何も言えなくなって、黙って侑李についていく。

…がらがら

宏「お、侑李ー…と、その子…？」

涼「…ん、Aちゃん…」

大「…あー！屋上の子ね！」

皆の視線が私に集まる。

貴「あ、ど、どうも…涼介、平気？」

涼「…全然平気」

どこがだよ！

と心の中でつっこむ。

確かにさっきよりも顔色はいいけど、まだ少しだるそうだ。

雄「えーっと…侑李？」

侑「Aちゃんは多重人格のこと、知ってるよ。Aちゃんといるときにちょっとした事故で人格が変わっちゃって」

慧「そーなんだ〜」

伊野ちゃんは、先生の車輪つきの椅子に座ってクルクル回りながら返事をする。

裕「まぁ、Aちゃんならいいんじゃない？キャーキャー騒がないし」

圭「秘密は守りそうだしね！！」

口々にそう言ってくる。

まあ確かに、口はかたい方だとは思う。

すると光が、妙に真剣な目付きで私の目の前まで歩いてきた。

貴「何…？」

その表情のせいで思わず緊張が走る。

光は薮くんの方を見て、薮くんが頷くと再び私に目を向けた。

光「加藤Aさんに…





生徒会への入会を認めます」

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