story 5 ーthe pastー ページ6
涼介side
何も持たずに家を飛び出した俺は、もちろん行く宛なんかなくて。
それでも脳内に流れているのはあの音で、涙で視界が歪む。
『山田くん！？』
……そんな時、曲がり角を曲がって見えたのは………こちらに歩いてくる、伊野尾くん。
…久々に、俺ん家でも覗くつもりだったのかな。
手にはAが好きなケーキ屋の袋がぶら下がっていて。
すごい勢いで走ってきた俺を、その垂れた目で不思議そうに見つめた。
慧『…何かあった？』
涼『っなにも、ない…っ…』
慧『何も無かったら手ぶらでこんな所走らないでしょ？』
涼『…俺が、悪いから……っはぁ…っ』
もともと息苦しかったのと、走ったのとで…俺の呼吸はもう、かなり不規則で。
そんなおかしな呼吸をする俺の背中を、伊野尾くんは優しく摩ってくれていた。
慧『落ち着いた？』
伊野尾くんの言葉にこくんと頷けば、伊野尾くんは俺の顔を覗きこんできて。
伊野尾くんがふわっと笑うと、体の力が抜けるみたいに落ち着いて……
慧『何があったのか、話せる？』
そう聞かれて俺は、簡単に話してしまった。
日中に、Aがピアノを弾いていること。
その上手いと言えないピアノを聴くのが辛いこと。
今日はそれが爆発して、Aを置いて家を出てきてしまったこと………
俺が話してる間、伊野尾くんは優しく…うん、うんと頷いてくれた。
年上だけど、そこまでの差はないはず。
それなのに……すごく安心感があった。
慧『………俺はさ、そんな環境になったこともないから、簡単に同情なんかできないけど……』
俺の肩に、そっと両手を置いた伊野尾くん。
その手は、俺より長くて細くてスラッと綺麗で………まるで母さんみたいだなんて、頭の端で場違いなことを考えた。
………だから余計に、落ち着くのかもしれない。
慧『…解決策のない問題なんて、ないんだよ。どんなに難しい数学だって、国語だって…恋愛、友情、そして家族にも。必ず解決策はある』
涼『んっ……』
慧『……確かに難しい問題だけど、絶対解決策は見つかるんだ。だから見つける努力をしよう。俺も、有岡くんだって…協力するからさ。いい？一緒に、ゆっくりでいいから、解決していこ？…たった1人の家族なんでしょ？』
ポロポロ溢れる涙を、伊野尾さんは親指で拭う。
まるで子供扱いだ。
………でも、そこに。
安心する暖かさが、伊野尾くんにはあった。
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はちみつ - 楠木りずむさん» 寂しくなるよね、、、ごめんね！ (2019年1月26日 7時) (
レス) id: aace91196a (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - はちみつさん» うわーーっそうなの！寂しくなるけど……また会えますように！(*>_<*) (2019年1月26日 7時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ - りずちゃん久しぶり！あのね、わたし占いツクール卒業します。だから、もう会えなくなるかも、、、時々顔出すかもしれないけど、、、その時は暖かく迎えてください。では、また会う日まで、、、さよなら！ (2019年1月25日 16時) (レス) id: aace91196a (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - はちみつさん» もちろんです！お待ちしてます(*´∀｀) (2018年10月5日 16時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - 私はありたか寄りのall担です！プロフの方で友達申請してもいいですか？ (2018年10月5日 7時) (レス) id: aace91196a (このIDを非表示/違反報告)
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