“JUMP” ーPsychic group [2nd]ー

story 6 ページ22

宏太side


……夜、7時。

俺達は、予告通り……嶺垣シンたちのアジトにいた。

山田の作戦なら、いくら向こうのアジトだからって俺らが不利だとしても、誘き出す必要は無い。

そして俺は、いつもの通り…車で待機だ。

………アジトは、俺達のところとは全く違い……倉庫みたいなところ。

少しホコリっぽくて、二部屋しか無いけど広い空間。
戦いには持ってこいだ………もしかしたら、戦うためにここをアジトにしたのかもしれない。

事前にハッキングで入念に構造を調べ、普通の入口と裏口2つで別れて待機。

部屋の中心には、嶺垣シンを含めた4人の敵がいて。

………車にいる俺にまでカメラ越しに伝わる、緊張感。

静かな空間が、俺の鼓動を早くする。

…そして………山田が、物陰から飛び出した。

それを合図に、他のみんなも………物陰に優を残し姿を現す。

シ「………こりゃどーも。JUMPさん？」

涼「………」

シ「そんな睨んでどうした？……ふっ…妹をあんな風にした俺への恨みか？」

涼「っ……！？」

…………どくん、と…さっきよりも大きく、胸がなった。

なんで…？どうしてコイツ、そんなこと……？

山田に妹がいることも、その妹と山田の過去も……漏らしてないはずなのに。

覚えてたのか…？
いや、随分前のことだし……嶺垣もただの悪ふざけのつもりだったんだろうから……いちいちそんなの、覚えてない、よな…？

裕「……な、んで…」

シ「いやいやまさか…俺がお前の最大の弱点で、このJUMPが出来たキッカケだったなんてなぁ？」

峯垣…コイツ最初に、言葉責めする気か……？

マズイな……山田に出来るだけそのストレスを与えたくないのに……

涼「……っ、圭人達！やれ！！」

山田自身もそれを感じていたようで……作戦では向こうが攻撃してきたら動くはずが、早くも崩れる。

言葉通りに動いた圭人と雄也、伊野尾は、峯垣の周りにいた奴らと戦って。

………だけどもちろん、嶺垣シンに攻撃はしてない訳だから……嶺垣の口は止まらない。

シ「聞いたよ。……妹さん、死んじゃったんだってねぇ？」

涼「……黙れ…」

シ「発端が………俺？なんだっけか？いやぁまさか……ハハッ、そんなことになってたなんてね？」

涼「……………やめろ………」

シ「でもよぉ……それって俺じゃなくない？……兄であるお前が、守りきれなかったせいじゃねぇか」

大「てめぇ……！！」

こんな序盤で、作戦が崩れるなんて…………

………なんだか、嫌な予感がする…

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