電話 ー何度も見る君の死体ー

story５ ページ5

侑李side


侑「りょ…すけ…？」

なんで…？

このドアの奥には…死んだはずの涼介がいるはず。

でも、電話から聞こえてくるのは間違いなく涼介の声で。

涼『あれ？おーい、知念？聞こえてるかー？？』

もう聞けないと思っていた涼介の元気そうな声に、たまらず涙が溢れる。

侑「涼介…！涼介っ！」

泣きながらそう名前を呼ぶけど、なぜか僕の声は涼介に聞こえていない。

涼『返事くらいしろよー。…あ、やべ、そろそろ行くわ！じゃっ！』


涼『また明日な！！』


声だけでも、涼介が笑ってるんだって分かる。

また、明日。

…もう、明日なんてないじゃない。

涼介…死んじゃったじゃない。

この電話は何？どういうこと？

よく分からないけど、もっと涼介の声を聞いていたくて。

侑「まって…！涼介！」

そう叫ぶように言ったけど…無惨にも、聞こえてきたのは、切れたあとのビジートーン。

ツー、ツー…という音から耳を外して、その場で泣き崩れた。

侑「っ…ふっ…涼介…っ！」

…ふと、あの時の会話が思い出される。


『あれ、俺ちゃんと電話したよ？』

『知念がずっと無言だったんだよ？』


…まさか…そんな。

あの時の………

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