story１９ ページ22
侑李side
侑「涼介…！！」
…間に合った。
学校を出て、一度も止まらず全力疾走して。
息を切らしながら曲がり角を曲がった途端に見えた、あの後ろ姿。
安心する暇もなく、僕は大きな声で叫んだ。
えっ！？とビクッと肩を揺らして、涼介が振り返る。
涼「なんだ知念かぁー、ビックリしたわ」
これは偶然か、必然か。
涼介を見つけたのは、またあの公園のそばだった。
侑「涼介…良かった…」
そのまま、涼介を抱きしめる。
ずっと走ってたから息が苦しいけど、それでも涼介に精一杯抱きつく。
涼「ちょっ…え、なに？？知念？？どうした？？」
涼介は若干混乱気味だけど、そんなの知らない。
今はまだ、生きてる。
この温もりを、感じていられる。
涼「ちょっと…知念ー？ほんと何？？これ見られたら、あらぬ噂をたてられるぞ、おい」
いたずらっぽく笑う声が聞こえる。
この声、ずっと聞いていられるかな。
ずっとそばにいてくれるかな。
…いや、いさせる。
力ずくで、僕のそばにいさせてやる。
僕の財布は、涼介だけだよ？
涼「ねぇ知念…マジで変な目で見られっから。な？」
トントンと肩を叩かれ、ようやく離れた僕。
涼介は、不思議そうな顔で僕を見てきて。
そりゃ、そうだよね。いつもはそんなこと、絶対にしないもん。
涼「んで？どうしたの？」
侑「…涼介」
出てきた声は、あまりにもか細くて、力なくて…自分でも驚くくらい、弱々しかった。
侑「これから…」
『素直に、なれば…』
なんて言おうか、声に出すまで悩んで。
侑「…これからもずっと、僕の財布でいてくれる？」
…出てきたのが、この言葉。
なんて可愛くない言葉だ。
でも、これが僕なりの伝え方なんだ。
“これからもそばにいて”って。
涼「知念…？」
侑「僕の親友として…財布の仕事、ちゃんとしてくれるよね？」
涼介には、伝わるかな？
僕の、精一杯のメッセージ。
自然と俯いていた顔をあげると、目を見開いた涼介と目が合った。
涼「…おう。まぁ、そりゃな」
お前が俺を財布にするんだろ、と言いながら笑った涼介。
知らないうちに息を止めていたようで、ふぅ、と思い切り息を吐き出した。
侑「良かった…」
僕なりの“素直”。
そばにいてねっていう、少しの甘え。
これは、正解？それとも、不正解…？
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楠木りずむ(プロフ) - 全然大丈夫ですよ〜(*´▽｀*)嬉しいです！ありがとうございます！！ (2017年7月18日 22時) (
レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾慧#うえまー(プロフ) - 遅いんですけど、感動しました！(^O^) (2017年7月18日 18時) (携帯から) (レス) id: 63bba7a27a (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 山田Loveさん» そう言って頂けて嬉しいです！ありがとうございます♪ (2017年4月1日 10時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
山田Love - 涼介が生きて終わってよかった〜。 ちぃの素直さ可愛い (2017年3月30日 19時) (レス) id: 938a3d3741 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 僕ちゃんさん» ありがとうございます！読んでいただき感謝です(*^^*) (2017年3月6日 20時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
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