story１５ ページ18
侑李side
涼「で？話って？」
ベンチに座ったとほぼ同時に、涼介が僕に聞いてくる。
心臓の動きが、だんだんと早まっていくのが分かる。
鼻で息を大きく吸って、口から吐き出した。
侑「あのね、涼介…今から僕が言うこと、信じてほしいんだけどね」
涼「ん？なに？」
涼介が不思議そうな顔で、僕の顔をじっと見つめる。
きっと今の僕は、緊張で表情が固い。
侑「僕…僕ね…？」
涼「なんだよ〜、早く言えって」
侑「ぼ、僕…知ってるの」
あからさまにキョトンとして、間抜け面な涼介。
いつもなら、なにその顔って馬鹿にするけど、今日はそんな余裕はない。
侑「…涼介がね…涼介、が…………………この後、事故に遭うこと知ってるの」
涼「…は？」
意を決して、そう口にした僕。
そんな僕の言葉に、涼介はぽかーんと口を開けたまましばらく固まる。
そりゃ、そうだよね…僕だって、いきなりそんなこと言われたって信じないだろうし。
侑「信じられないかもしれないけど……僕、ずっとね、この時間を繰り返してるの」
今度は、涼介の眉間に皺が寄っていく。
…信じて、ない。
侑「僕も、最初は夢だって思ってた。けど、毎回毎回涼介は事故に遭って…いつも、死んじゃうの…………」
信じて、涼介。
僕は涼介を助けたいの。
思わずうつむいて、そう願いながら目をぎゅっと閉じる。
…だけど。
涼「はっ…何いってんの、知念」
願っていたものとはかけ離れた、涼介の冷たい声が耳に響く。
涼「俺のこと、からかってんの？」
侑「ちが…っそうじゃなくてっ…！」
顔を上げると同時に、涼介はベンチから立ち上がる。
そして、僕を冷めた目で見つめた。
涼「俺が死ぬとか…意味分かんねぇし。そんなこといきなり言うの、ほんと不愉快」
…涼介は、多分僕がからかってこう言ってるって思ってるんだ……
そんないたずらで、死ぬなんて冗談を言うな、って。
なんでもっと考えなかったんだろう。
僕だって、いきなり自分が死ぬなんて言われたら、嫌な気分になるに決まってるのに。
侑「涼す…っ」
涼「今日はもう帰る」
スタスタと歩き出す背中を、僕は追いかけることも出来なかった。
…情け無さすぎるよ、僕。
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楠木りずむ(プロフ) - 全然大丈夫ですよ〜(*´▽｀*)嬉しいです！ありがとうございます！！ (2017年7月18日 22時) (
レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾慧#うえまー(プロフ) - 遅いんですけど、感動しました！(^O^) (2017年7月18日 18時) (携帯から) (レス) id: 63bba7a27a (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 山田Loveさん» そう言って頂けて嬉しいです！ありがとうございます♪ (2017年4月1日 10時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
山田Love - 涼介が生きて終わってよかった〜。 ちぃの素直さ可愛い (2017年3月30日 19時) (レス) id: 938a3d3741 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 僕ちゃんさん» ありがとうございます！読んでいただき感謝です(*^^*) (2017年3月6日 20時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
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