悪化 ページ45
侑李side
全てを話終え、部屋には少し静寂が走った。
僕もあのときのことは、鮮明に覚えてる。
実は、僕が“ドクター”となったのも、涼介が理由だった。
あの日から、たくさんのものに怯え、苦しんだ涼介。
そんな涼介を支えていこうと、僕は医療を学ぶことにしたんだもの。
…バタン！
すっかり静かになっていたリビングに、突然大きな音が響いた。それも、僕のすぐ隣で。
侑「涼介っ！！」
見ると、荒い息を繰り返しながら辛そうに倒れている涼介。
今まで座っていた椅子から落ちたみたい。
そうだよ…涼介、高熱だったじゃん。
ドクターなのに、なに無理させてんの、僕…
侑「大丈夫！？」
皆が慌てて涼介に近づいていって。
僕は一瞬だけ涼介を見てから、必要そうな薬などを全て持って涼介に近づいた。
額は汗で前髪が張り付き、触れた肌からはじんわりと熱を感じる。
こりゃ上がってるな…
しかも、あの時のことを思い出したからか…頭痛も激しいみたいで、手で頭を押さえながら唸っていた。
涼「…うーー…っ…皆、話すの…遅くなって、ごめん…っ…はぁ」
こんな辛い状況のなかで謝るくらいだから、きっと涼介はずっと申し訳ないって思ってたんだろう。
宏「大丈夫。むしろ、話してくれてありがとな…」
光「やっと話してくれたな…！」
圭「とりあえず今は、ゆっくり休んで…？」
みんなはそんな涼介に、安心させるように口々に言葉を発していた。
侑「涼介ー？ちょっと診させてねー…」
僕がそう言うと、気を使って皆が離れようとする。
侑「皆はそばにいてあげて？」
涼介のことを診ながらもそう言えば、皆が顔を見合わせてから再び近づいてきて。
侑「皆いるからね？涼介は一人になんかならないから」
そう呟きながら、僕は診療を続けた。
侑「…とりあえず、これで熱は徐々に下がるとは思うよ」
診療が終わり、涼介をベッドで寝かせた。
相変わらず呼吸は荒いし熱もあるけど、頭痛は少しマシになったみたいで。
時折顔を歪ませる程度にまで治まった。
そんな涼介を囲むようにして、皆が集まってくる。
雄「…山田……」
僕の言葉に、安堵の表情を浮かべた人は…いなかった。
そりゃそうだ。
あんな過去を聞いたんだから…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 736人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
楠木りずむ(プロフ) - 山田LOVE子さん» ありがとうございます♪この作品はpart3まで続いており、予想外のラストになってる(なってるか…？)ので、最後までお楽しみください！(*´ω`*) (2018年8月1日 14時) (
レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
山田LOVE子 - 山ちゃんの過去を知ったメンバーがこれから山ちゃんを支えていこうという感じが出てていいな〜と思いました。 (2018年8月1日 14時) (レス) id: 07c5fefbe8 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - あまりにも放置しているのでコメ欄失礼しますm(__)m更新なかなか出来ずすみません！今日から４日間テストです…(;つД｀)テストが終わったら更新しますので、待っててくれると嬉しいです！ (2016年10月18日 16時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - Y.R凉介さん» 短編の方でもコメントしてくれましたよね！レスできなくてすみません(;_;)ありがとうございます♪よろしくお願いします(*^^*) (2016年10月9日 22時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
Y.R凉介 - Hey！Say！JUMP大好き人間からY.R凉介に変わりました。これからもコメントたくさんしますね♪ (2016年10月9日 22時) (レス) id: a8b917c0d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
