涼介貧血 ３ ページ17
侑李side
だるい集会が始まり、僕は校長の話を聞くふりをしながらボーッとしていた。
先「おいっ、そこ！フラフラするな！」
そんな声に驚いて声がした方を見てみると、体育科の先生が誰かを叱っていた。
うわー…あの先生の説教、めっちゃ怖いうえにめっちゃ長いんだよな。
そう思いながら再び校長に目を向けようとしたけど、怒られている生徒が目に入って思わず二度見した。
侑「えっ…」
学年が違うから後ろ姿しか見えないけど、あれは間違いなく涼介だった。
先生に叱られてもフラフラしていて、より先生に怒られる。
しかし、ふざけているようには見えない…
関「ねぇ、あれって涼介くん…？」
石「まずいんじゃねーの、あれ…」
コソっと話しかけてくる二人。
途中で先生に事情を話そうとしている子がいたけど、先生は聞く耳を持たず、その子はどこかに走っていった。
恐らく、事情を知っている担任か養護教諭の先生を呼んでくるのだろう。
涼介が、ゆっくりと顔を上げた直後。
…バタッ
涼介は力が抜けるように倒れた。
侑「涼介！」
俺は知らぬ間にそう叫び、涼介の所に駆け出していた。
驚いている先生を尻目に、俺は涼介に近づく。
侑「涼介っ、分かる！？」
見ると、涼介の顔は青白く、唇も少し白い。
目眩が酷いのか、目を閉じながら「う〜」と小さく唸っている。
あっかんべーをさせて下まぶたを見てみると真っ白だった。
完全な貧血。
涼介のネクタイ、ベルトを緩め、さらにYシャツのボタンを第2ボタンまで開ける。
さらに俺は着ていたブレザーを脱いで高さが出るように折り畳み、涼介のふくらはぎの所に置いて足が上がるようにした。
侑「涼介、グルグルする？」
小さくこくりと頷く涼介。
侑「辛いよね…先生くるまで頑張ろ？僕もいるから」
そういって何分かしたあと、ようやく担任と養護教諭の先生が来た。
さっき走っていった子が呼んできてくれていたようだ。
その頃には若干涼介の顔色は良くなったけど、まだまだ悪い。
養「とりあえず保健室に連れていきましょうっ」
侑「あっ僕が運びます！」
涼介は軽いから、簡単に持ち上げられた。
保健室に行く前に、さっき呼びにいってくれた子に近付く。
侑「君。本当にありがとう、助かったよ」
佐「あっいえ全然！あの、教室の涼介の鞄にある貧血の薬、持っていきましょうか？」
侑「うん、お願い」
なんて気が利く子なんだろう…
去り際に体育の先生を思い切り睨んで、保健室に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 302人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リョウ。 - 初めまして！リョウ。って言います。いつも読ませていただいてます。もう、本当に私の好みの作品ばっかりで全部読ませてもらいました………(笑)これからも、応援してます。 (2017年6月18日 22時) (
レス) id: 965564c2c7 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - ありメロJUMPさん» 本当にすみませんm(__)m私では力不足かも知れませんが、そう言っていただけて本当に嬉しいです♪頑張ります！！ありがとうございます(*^^*) (2016年8月7日 10時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
ありメロJUMP(プロフ) - 大丈夫です！そ〜だったんですね！わかりました！これからも楠木りずむさんの、小説読ませて頂きます！色んな小説で人々を幸せにしてください！私はほんとに幸せです！この小説そして。りずむさんの、小説全て大好きです！これからも更新頑張って下さいね！待ってます！ (2016年8月7日 9時) (レス) id: 222b3fe5a1 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - ありメロJUMPさん» 大好きなんて…元気を与えられてると思うと本当ありがたいです♪リクエストですが、実はもう終了してまして…ここでお受けすると不公平になってしまうので、引き受けられません…まだまだシリーズあるので、そちらで楽しんでください！大変申し訳ありませんでしたm(__)m (2016年8月7日 8時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
ありメロJUMP(プロフ) - あの。。このお話大好きです！いつもこれで、JUMPが頑張ってるんだから、あたしも！っと思います！これからも更新頑張って下さい！あと。。もし良かったら大ちゃんの子供化するのが見たいです。風邪で甘えるみたいな感じでお願いします！ほんとにできたらでいいです！ (2016年8月7日 1時) (レス) id: 222b3fe5a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：楠木りずむ
| 作成日時：2016年5月1日 13時
