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( Side.Kai )
これは俺達が美術室に押し掛ける少し前の話。
Aが柊に呼ばれた後の里見は気が気じゃないようで、すごく不安そうで。全くもって落ち着きがなかった。
そんなとこを見ると、里見ってすげぇ彼女思いだと思うし、俺に入る隙なんてないんだと思う。
……でも俺も、
そんなことを考えると、Aに対して何も出来ない俺に対して、もっと悔しく思う。
「……明らかに遅い」
何度か柊は美術室から出てきているわけだし、Aがずっと美術室にいるのがおかしいなと感じたんだろう。
里見が美術室の方向を睨みつける。
「……ぶっきーぶちのめしにいこうかな」
水越や諏訪達も仲がいいから額に青筋を立ていて。
みんなで様子見に行くか？なんて教室で話をしている時の事だった。
「_____ってるでしょ！？」
微かに、あいつの。Aの、声がした。
「……A？」
生きているのは安心した。
でも何を思ったのかフラフラと教室を出て美術室に向かう里見。
俺らもそんな里見について行くことにした。
扉の陰で声を潜めて中の会話を盗み聞きする。
Aと柊の会話は耳を疑いたくなった。
……柊、ロリコンか？と。
すると、いきなり里見が立ち上がって叫ぶ。
「おい！！Aに何してんだよ！！！」
と。
気になって聞いてるだけだった俺達も中を見ると。
柊が怯えてるAに迫っていた。
俺達は全員揃って柊を睨みつける。
そして彼女は言った。
「助けて」と。
里見の怒りが爆発したんだろう。
走って柊を突き飛ばしAを抱きしめた。
よく見ると、Aも里見も震えてる。
すると、突き飛ばされた柊が起き上がる。
「いたたた……里見、痛いじゃないか」
それもおちゃらけたように、笑いながら里見に言う。
それに対して里見は何も言わない。
ただただ、Aを抱きしめているだけだった。
それとは逆に柊に対して言い返したのは女子だった。
「こっちのセリフなんだけど。
Aに何してくれてんの？」
「ぶっきー変態にも程があるよ」
「きもいからAにもう近づかないでくれる？」
そんな女子達の言葉にも笑って返すだけ。
気味が悪い。
突然黙っていた里見は、Aを抱きかかえたまま立ち上がり柊に言い放った。
「……1つ言っておく。
Aは柊のもんじゃねえから。
渡すも何も、俺の彼女だから」
そして、彼は美術室を出て言った。
俺らは何も言わずただただ柊を睨みその場をあとにした。
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stm - この小説大好きです！更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2019年3月11日 18時) (
レス) id: 3c3aa41225 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - このドラマ大好きなのであと大好きな涼太君が出てるので最高ですオチ涼太君がいいです (2019年2月14日 14時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
sanapen - 面白いです！！！これからも更新待ってます！！！！！ (2019年2月6日 19時) (レス) id: 6d2d50bb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：栗本ちゃん 。 | 作成日時：2019年1月31日 22時
