＊ ページ47
.
「……A、いいの？」
2人で教室に戻っていると突然花恋が聞いてくる。
「いいのって何が？」
「翔の………いや、やっぱなんでもない」
言いたいことは、何となく分かってる。
でも、私はセコいから。
気にしない振りをした。
..
教室に戻る途中、女子が固まってるようで。
何してんだろうって思ったら、唯月達の中心で囲まれていたのは茅野さんだった。
「あれ、唯月達なにしてんの？」
「なんか、此奴が里見とあんた疑ってるみたい」
「いや別に清水さんは……！」
'' 犯人、心当たりあるかもしれない ''
あの言葉は、なんの冗談でも一瞬の気の迷いでもない、か。
「里見、あんたとA疑われてるけど」
「……あ？」
海斗は少し目を細めて、唯月を見つめた。
私はそんな彼をぼうっと眺めていた。
「名推理聞かせてよ」
そう言って、茅野さんを前に押し出す愛華。
「あ、いや、その……
里見くん全国大会の会場に居たよね？
水泳部のあの青いジャージ着て……」
思い当たった事は、これか。
そういえば、貸してもらってたっけか。
「そういえば大会の日に里見にジャージの上着貸したんだっけ」
そう、真壁くんに。
「なんで貸したの？」
「あのとき色々と準備に追われててなのに
急に駐車場の警備も手伝わなきゃってなって
たまたま会場にいた里見にお願いして
それで、引き受けて貰ったんだ」
「たまたま会場にねぇ、た ま た ま」
「試合が中止なって暇になった時に、Aに誘われたから見に行っただけだよ」
「ふうん、清水にねえ」
じとっと光永が此方を見てくる。
確かに誘ったのは私だ。
私には目的があったから。
「私、花恋に会いに行ったの。
幼馴染に会いに行って何が悪いの？
ていうか、海斗が部活なくなったって聞いたから良ければって誘っただけだよ？」
「なに、お前らも俺らのこと疑ってんの？」
海斗が半笑いで光永達に聞けば押し黙ってしまう。
私の理由が的確すぎたから、だろう。
すると、彼女が動き出す。
「サッカー部の試合が中止になったっていうのは本当だよ。
海斗は嘘なんかついてない」
海斗の元カノである、彼女が。
すると、他の女子がバックアップする。
「そうだよ、海斗がそんなことするわけない」
「海斗があんな動画撮る理由なんて、何処にもないしさ」
「はい、でました〜。里見親衛隊！」
「よっ！親衛隊！」
私がクラスで最も苦手とする、里見親衛隊が。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 663人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
stm - この小説大好きです！更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2019年3月11日 18時) (
レス) id: 3c3aa41225 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - このドラマ大好きなのであと大好きな涼太君が出てるので最高ですオチ涼太君がいいです (2019年2月14日 14時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
sanapen - 面白いです！！！これからも更新待ってます！！！！！ (2019年2月6日 19時) (レス) id: 6d2d50bb72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：栗本ちゃん 。 | 作成日時：2019年1月31日 22時
