( 3月2日 ) ページ21
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体を揺すられる感覚で、私は目が覚めた。
天井が見えて、ふと疑問に思う。
昨日私は海斗と壁の方で寄り添って寝たはず。
仰向けで寝た覚えなんてない。
此処、何処……。
そう思い起き上がると、
「おはよう、A。ぐっすり眠ってたねぇ、」
''昨日の今日で。'' 聞きたくなくなった声が背後から聞こえる。
そこには、柊せんせが立っていた。
''昨日の今日だ。'' 私は思わず、後退りする。
「…な、んで……私はここに、」
「なんでって、俺が連れてきたからに決まってんだろ？里見がお前抱き締めて寝てるから連れてくんのが大変だったよ」
にやにやと私を見ながら答えるせんせ。
昨日殺せなかったから、私を殺す気なのだろうか。
分からない、分からない、……けど凄く怖い。
その場にいてもたっても居られなくて、美術室に居たくなくて。私は逃げようとした。
「お前に聞きたいことがある」
せんせに呼び止められるまでは。
せんせの低く冷たい声に足が竦む。
さっさと教室に帰りたい、でも恐怖で足が動かない。
昨日散々体験したはずなのに、やっぱりこの環境に慣れるわけがなくて。
「……なん、ですか」
どうしたらいいか、分からなくなって。
返事を、してしまった。
「お前の生きる活力は……生きる希望はなんだ？」
'' お前の生きる希望を俺にすればいいのか？ ''
ふと思い出す昨日のせんせの言葉。
澪奈の事を聞いたと思ったら、そんなこと聞いてくるし、意味わからん。
ため息をついて、せんせの方を向く。
「昨日の分も含めて、答えてあげるよせんせ」
どうせ私が答えなければ、またここに連れてきては問いただす気だろう。
だったら、ここで吐いてしまえばいい。
そしたら、私への謎の執着は無くなるだろう。
だって、私への執着は……きっと澪奈への執着だから。
「澪奈のいじめの件、物理的に加担したって言うより私は傍観者だ。仲良かった時期もあったよ。
………でも、私はあの子に裏切られたんだ。
被害者ぶるつもりはない。
…彼女に興味もない」
「…動画の件は何も知らないのか」
「……さぁ？知らないな」
全て見透かしたように言うせんせ。
でも私は言わない。
「こんなもんかな。
あと私の生きる希望は
___海斗だよ。どう？望んでることは全部聞けた？」
「……嗚呼」
そして私はそそくさと美術室を後にした。
今は一刻も早く海斗に会いたくて。
……だから聞いていなかった。
「………だったらぶっ壊してやるよ」
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stm - この小説大好きです！更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2019年3月11日 18時) (
レス) id: 3c3aa41225 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - このドラマ大好きなのであと大好きな涼太君が出てるので最高ですオチ涼太君がいいです (2019年2月14日 14時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
sanapen - 面白いです！！！これからも更新待ってます！！！！！ (2019年2月6日 19時) (レス) id: 6d2d50bb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：栗本ちゃん 。 | 作成日時：2019年1月31日 22時
