検索窓
今日:12 hit、昨日:2 hit、合計:50,269 hit

00 ページ1

「ーーくんと、バイバイしたくない…」

「Aちゃん…

見慣れた公園、見慣れた街からサヨナラする日。

赤髪の、一回り小さな彼を困らしてしまうほど、私は泣きじゃくることしか出来なかった。

明日には、ここから遠い場所に行ってしまう。

それは、目の前の彼と会えなくなると同じ意味を持つことくらい、5歳児でも予想がつく。

だから余計に、涙が止まることがなかった。

こんなに慕っている彼だが、出会ってからは本当に短い。

けど、赤ちゃんの時からの知っている人たちより、幼稚園の友達よりも、たった1ヶ月と少しの彼が大好きだったのだ。

「うーん…あ、そうだ!」

彼は何かに閃いたようで、ポケットから指輪を出した。

女の子の玩具セットにある、プラスチック製の指輪。だけど、幼い私はそれが婚約指輪のように思えた。

「僕達が大きくなってまた会ったら、その時は結婚しようね!これ、約束!」

「っうん!」

たどたどしく通された指輪は大きくて、気をつけないと取れてしまいそうになるほど。

けど、ダイヤの指輪よりも、可愛いお洋服よりも、これがすごく輝いているように思えた。

きっと彼は慰めの言葉として言ったのだろう。

けど、幼い私は…いや、あれから十年経った今でも信じてる、なんて言えば彼はどんな顔をするのだろうか。

可愛くて、かっこよくて、優しくて、悪戯な、カルマくん。

01→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
77人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りなぷ(プロフ) - サヤさん» ありがとうございます!とても光栄です(泣)これからもよろしくお願いします! (2018年1月1日 23時) (レス) id: dcaaae020b (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - この作品スッごく面白いです!ログインしてたら、絶対お気に入り登録するって位!幼少期に貰った物とかその他諸々 とてもこう…アイディア?が素敵だと思います!のんびりゆっくり、作者様のペースで更新頑張って下さい! (2018年1月1日 23時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りなぷ | 作成日時:2017年12月30日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。