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「ーーくんと、バイバイしたくない…」
「Aちゃん…
見慣れた公園、見慣れた街からサヨナラする日。
赤髪の、一回り小さな彼を困らしてしまうほど、私は泣きじゃくることしか出来なかった。
明日には、ここから遠い場所に行ってしまう。
それは、目の前の彼と会えなくなると同じ意味を持つことくらい、5歳児でも予想がつく。
だから余計に、涙が止まることがなかった。
こんなに慕っている彼だが、出会ってからは本当に短い。
けど、赤ちゃんの時からの知っている人たちより、幼稚園の友達よりも、たった1ヶ月と少しの彼が大好きだったのだ。
「うーん…あ、そうだ!」
彼は何かに閃いたようで、ポケットから指輪を出した。
女の子の玩具セットにある、プラスチック製の指輪。だけど、幼い私はそれが婚約指輪のように思えた。
「僕達が大きくなってまた会ったら、その時は結婚しようね!これ、約束!」
「っうん!」
たどたどしく通された指輪は大きくて、気をつけないと取れてしまいそうになるほど。
けど、ダイヤの指輪よりも、可愛いお洋服よりも、これがすごく輝いているように思えた。
きっと彼は慰めの言葉として言ったのだろう。
けど、幼い私は…いや、あれから十年経った今でも信じてる、なんて言えば彼はどんな顔をするのだろうか。
可愛くて、かっこよくて、優しくて、悪戯な、カルマくん。
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りなぷ(プロフ) - サヤさん» ありがとうございます!とても光栄です(泣)これからもよろしくお願いします! (2018年1月1日 23時) (レス) id: dcaaae020b (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - この作品スッごく面白いです!ログインしてたら、絶対お気に入り登録するって位!幼少期に貰った物とかその他諸々 とてもこう…アイディア?が素敵だと思います!のんびりゆっくり、作者様のペースで更新頑張って下さい! (2018年1月1日 23時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りなぷ | 作成日時:2017年12月30日 19時