-相棒-【混血のカレコレ】【Plott】

13.強気 ページ13

、



おかしい。あまりにもおかしい。
ゴブリンと言えば雑魚扱いで有名だ。


なのに…こいつは…………






『…ねぇ、それオレに教えてよ。』

…少し興味が出てしまった。


それから毎日、特訓に付き合ってくれた。
そいつは家族持ちらしく、なるべく団らんの時間を
減らしたくないようだ。


家族の中には人間もいるらしい。
ゴブリンと人間がなぜ共存しているのかは謎だが……





どのくらい経ったかは分からない。
ゴブリンは“もう十分お前は強くなった”、と言った。

『ほんと？オレ強い？？………ならよかった
　これからは山出てオレなりに過ごす。

　…今日までありがと』

そう言って山を降りながら考えた。

トッププレデターを潰すのには十分の強さ｡
少し心は痛いけど…施設ごといこう。






そう思った時、久しぶりに聞こえた人間の声。

………人間の声なのか疑った。




｢…グアァァァァアアﾞ……！！｣

『あちゃー。昼間に吸血鬼は死ぬよー？大丈夫そ？』

そばにに横転したトラックがあった。



トッププレデターだ。
でも吸血鬼のハーフは見かけたことがない。
新手のデュアルコアプランなのか…？





ふと、吸血鬼の記憶が頭に入ってきた。

ぼんやりとしか見えない。自我がないのか…？


彼の横にいるナイフを持った気の強そうな女子高生。
その隣にいるのは強そうな大学生あたりの男。


こいつは…





あの村の男子高生……！？


でもどうにも出来ない。なにかする義理もない。
仕方なく、見捨てることにした。



そのすぐ後、人間の気配を感じた。
彼を助けるためだろう。

だが、気配は人間よりあのゴブリンに近い気がした。


トッププレデターを潰す計画は取りやめた。
それよりも…まずは情報収集。



ある日。

トッププレデターの実験施設が破壊された、
という話を聞いた。





完全に撤去される前に潜入し、資料を入手した。
ファーストロットとセカンドロットの内容、実験体、
そして経過観察の日記的なのもあった。



『……なんだ、ヒサメちゃん廃棄じゃないのかよ。
　トップレも嫌な趣味持ちだな。

　“キュリオシティ”…これの開発をした人……』




全て見てみたが、あの吸血鬼の男子の情報は載っていなかった。少しも無かった。
吸血鬼の眷属にされただけの可能性もあるが、それだけでトッププレデターが興味を持つ訳が無い。



『んー…もういいか……諦めよ。』

オレの情報収集は1度幕を閉じた。

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