初めましての日 ページ29
もしかしたら焼きでも入れられるのかもしれない。
根性叩き直すとか言って半殺しにされる可能性もある。
想像を膨らませながらガタガタと震えた。
｢自分、俺のこと見てたやろ｣
｢ハイ…見テマシタ！｣
やっぱりそうだ…！
はっきりと確信し、涙をにじませた。
｢ころさ、ないでください…！なんでもします…！！｣
｢ブッ！！｣
ゾムは、Aの発言に吹き出した。
だがAは、それすら気づかないほど怯えていてごめんなさいとひたすらに謝っている。
ゾムという男がこれを楽しまない訳が無かった。
｢Aやったっけ名前｣
｢はい…っ｣
｢そっかァ…A｣
｢…な、なんでしょう！｣
顔を上げたAにコツコツとブーツを鳴らし無言で近づくゾム。
気圧されてじりじりと追い詰められたAは、一歩また一歩と後ろへ下がっていく。
背中が壁に当たり、とうとうそれ以上下がれなくなったとき
コンコンとドアからノックの音が聞こえた。
｢今なんか凄い音聞こえたって聞いたんやけど大丈夫か？｣
それは、トントンの声だった。
Aは、これ幸いと慌ててドアを開けに行った。
｢って窓ぶっ壊れてるやん！なにがあったんや！｣
｢いや、あの、大丈夫です！すいません私が悪いんです！｣
ゾムさんは、別になにも…と続けるつもりが部屋のどこを見てもゾムの姿は、無く
Aは、呆然と立ち尽くした。
｢…えっと、大きな鳥が窓に突っ込んできて、また元気に飛び立って行きました！｣
｢マジか！！え、ほんまに！？｣
｢ほ、ほんとです！｣
｢そうか、いやーすまんな。今度は、もっと頑丈な窓取り付けるわ｣
｢助かります！｣
｢窓ないと困るやろ、今別の部屋のキー借りてくるな｣
｢ありがとうございます！｣
トントンが部屋を出て、少しも経たない内にゾムは、再び現れた。
窓の外から軽い身のこなしでスタッと中へ着地して｢俺、鳥やったんや｣とAをからかう。
｢なんで素直に俺のせいって言わなかったん？｣
｢ゾムさんが罰を受けると思って｣
｢受けて欲しくないん？｣
｢というか、私が最初に変な態度取ったから後ろめたさがあっただけです｣
｢弱そうな割にハッキリ言うやん｣
｢弱そう！？｣
｢うるうるした目で怯えとったやん｣
｢そ、それは、ゾムさんが…！｣
｢俺が、なに？｣
｢………｣
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あいまいアイン(プロフ) - 久々に読み返しにきました！何度見てもニヤニヤが止まりません... (4月9日 11時) (
レス) id: cc2cd4c541 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ丸(プロフ) - チェリーさん» (ゆ、遺言…だと！？) ありがとうございます！嬉しくて溶けます…！あとお返事遅れて申し訳ない…！！(土下座) (2020年8月30日 18時) (レス) id: 65cc5437ad (このIDを非表示/違反報告)
チェリー - 最高でした(遺言) 可愛さで語彙力溶けましたわ… (2020年3月4日 11時) (レス) id: 8ac09bc0e3 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ丸(プロフ) - mo4さん» う、うれしい…！！ (2019年9月22日 20時) (レス) id: 62bd964a7d (このIDを非表示/違反報告)
mo4 - か、かわいいかよ… (2019年9月21日 19時) (レス) id: c8f50611df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねこ丸 | 作成日時：2019年5月2日 12時
