吸血鬼 ページ23
明くる日、今日は、早朝から森に来てみた。
朝でも薄暗いこの森は、不気味さも然る事乍らいつも肌寒い。
羽織ったコートをぎゅっと握りしめて森を進んだ。
｢あ、いた｣
遥か前方に人影を発見し、念の為近くの茂みに身を隠し観察する。
なんかちょっと体が大きいような…
ゾムと名乗った男では、なさそう。
でも間違いなく吸血鬼だ。私には、分かる。
吸血鬼であれば、どの道私の狩るべき相手。
幸いこちらには、気づいてなさそうだし…
と、銃を構える。
その瞬間、ハッキリと目が合った。
赤い目が、こっちを見ている。
やばい…
危険だと本能が告げていた。
ゆっくりこちらに向かって歩き出す赤目の男に緊張が増し引き金を引く指が固まって動かない。
だったら一旦ここから離れなきゃ！
頭では、そう思うのに体も思うように動かず、情けなくて涙が出そうだった。
次の瞬間、何かが体当たりしてくるような衝撃を受けた。
何事かと思ったらゾムが私を担いでいて、あの赤目から遠ざかるように木の上を猛スピードで飛び移っているところだった。
｢A、お前！冗談は、顔だけにしとけよ、トントンに喧嘩売ったらほんまに死ぬで！｣
｢え、え！？｣
わけが分からなくなって狼狽えていると、舌噛むでと言われて慌てて口を閉じる。
担がれてる体勢の上に勢いよく流れていく景色にもついていけずだんだん気持ち悪くなってきて
あぁ…そろそろやばい吐くかも…なんて頭を過ったときにようやく地面に下ろされた。
｢うわめっちゃ顔色悪ｯｯ！｣
｢もう少しで吐くとこだよ…｣
｢あぶなっ…俺に言えよ、お互いゲロまみれとか嫌過ぎるやろ｣
｢舌噛むから黙れって言った！｣
｢それは、それや！｣
なんで私怒られてるの…
うう、気持ち悪いからまぁどうでもいいや。
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あいまいアイン(プロフ) - 久々に読み返しにきました！何度見てもニヤニヤが止まりません... (4月9日 11時) (
レス) id: cc2cd4c541 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ丸(プロフ) - チェリーさん» (ゆ、遺言…だと！？) ありがとうございます！嬉しくて溶けます…！あとお返事遅れて申し訳ない…！！(土下座) (2020年8月30日 18時) (レス) id: 65cc5437ad (このIDを非表示/違反報告)
チェリー - 最高でした(遺言) 可愛さで語彙力溶けましたわ… (2020年3月4日 11時) (レス) id: 8ac09bc0e3 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ丸(プロフ) - mo4さん» う、うれしい…！！ (2019年9月22日 20時) (レス) id: 62bd964a7d (このIDを非表示/違反報告)
mo4 - か、かわいいかよ… (2019年9月21日 19時) (レス) id: c8f50611df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねこ丸 | 作成日時：2019年5月2日 12時
