幽霊彼女 ページ38
そう思ってから、早数日。
倉庫でたまたま居合わせたショッピくんが話しかけてきた。
｢ゾムさん、今度のお墓参りご一緒してええですか？｣
｢墓参り？｣
｢またそろそろ行くんかなって｣
｢あぁ、せやね。ええよ｣
｢ありがとうございます｣
｢急にどうしたん？｣
｢いえ、別に。行きたいけどひとりやと色々と考えてしまうんで、誰かとがいいなーって｣
ショッピくんは、出来た後輩やし俺への気遣いだろうことは、察しがついた。
ショッピくんなりの優しさなんやろなって。
時間さえあれば行っていたのをよく見てたんだろうし、俺が考え過ぎたりしないように一緒に行こうとしてくれてるんだろう。
感動するわ。
Aがそこでニヤニヤしてなければ
感動で泣いてたとこやで。
｢ねぇゾム、ショッピくんてなんていい子なんだろうね！お姉さん感激だよ｣
｢うっさい静かにしいよ…！｣
やかましいのでAには、小声で注意する。
ショッピくんは、気づかないまま去って行った。
｢いい仲間を持ったね｣
それに関しては、大いに頷ける。
｢ぷはー！お酒美味しいー！｣
｢飲めるんかよ！幽霊なのに！｣
｢意外といけた｣
｢ほんまや減っとる！俺ん中の幽霊のイメージがどんどん崩れてくんやけど｣
｢なので、晩酌も付き合える！｣
｢おお、それはええね｣
｢なんかずっと幽霊でいるのも悪くないかも！｣
めちゃめちゃ呑気なこと言いながら浮遊して遊んでるA。
人が密かに心配してるのも知らんで。
｢なんか思い出せそうなこととか無いんか？｣
｢ンー、ないね！｣
｢お前なぁ…｣
｢ゾムのことが好きで好きで好きだからかな！神様がもーそんなに好きならそばにいろよって言ってくれたのかもしれないね｣
｢…ッ｣
コイツほんま狡いな！！
俺は、赤くなった顔を隠すようにフードを深く被り直した。
｢あれ、照れてる？｣
｢…いや？｣
｢声裏返ってるよ？｣
｢わざとや！｣
｢ふふふふ｣
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作者名：ねこ丸 | 作成日時：2019年3月26日 13時
