幽霊彼女 ページ37
｢他の皆にも見えんのかな｣
｢うーん…ちょっと待ってて！｣
Aの姿が消えて、暫く経つとまた現れた。
｢ダメみたい｣
確かめてきたのか。
｢そうなんや…Aと話ができたら、皆も喜ぶと思ったんやけどな｣
｢残念…。でもなんでゾムには、見えるんだろう、霊感持ってたの？｣
｢いや持ってへんけど｣
｢なんか意味あるのかなぁ、私特に未練とかも無いけど｣
ないんかい。
｢俺に会いたかったとか？｣
｢んー…いやでも、気づいたらここにいたから、そういうことなのかな？｣
こんなに目的があやふやな幽霊って存在すんの？
とはいえ正直俺は、嬉しい。
またこうしてAと話せるから。
絶対調子に乗るから言わんけどな。
｢お前、なんで死んだん…｣
｢まぁ戦争だし必ず生きて帰れるとは、限らないよね、とりあえず来世に期待☆｣
｢陽気すぎるやろ！｣
俺のツッコミは、Aの頭をすり抜けた。
次の日も、その次の日も、Aは、俺の近くにずっといた。
仕事漬けだった俺の毎日も、以前のように落ち着いた。
もしこのままずっと一緒にいられたら幸せやろなぁなんて思ったり…。
でもそれじゃあかんよね…。
Aやって天国行かなあかんやろし。
｢ていうかゾム、皆に独り言増えたよねって噂されてるよ？｣
｢頭おかしくなったんやないかって？｣
｢いや、もともと頭は、おかしかったけど最近更に拍車かかってヤバイって｣
｢言ったん誰やコロスわ｣
｢やめたげてー！私の声が皆には、聞こえてないだけで…！｣
｢それを踏まえて殺ったんねん！｣
｢うわー皆逃げてー！｣
ほんまこんな日がずっと続けばええのに。
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作者名：ねこ丸 | 作成日時：2019年3月26日 13時
