手錠 ページ12
｢解せぬ…！｣
｢愉快やなぁ｣
ケタケタとゾムが笑う。
もうため息しか出ない。
数分前の自分を殴りたい、何故こうなることを予想してなかったんだ。手錠なんてくそ喰らえだ。
tn｢うわ何お前ら｣
｢あ、トントン｣
zm｢可愛ええことするやろ、Aがやってん｣
見せびらかす様にゾムが腕を持ち上げれば、連なって私の腕も持ち上がる。
私は、嫌悪感丸出しでトントンに説明する。
｢半分合ってるけど半分違う、これは事故｣
tn｢どんな事故やねん｣
｢そうだ！トントン、銃でこのチェーン切って！｣
tn｢いやアカンやろ！確実に怪我するで｣
zm｢腕吹っ飛ばしたいん？｣
｢え、マジかダメか…｣
イメージでは、簡単にいける気がしたんだけどなぁ…と口を尖らせていると、狂犬二匹がやってきた。
kn｢え何してんの｣
sha｢うわープレイの一環？｣
｢違う！！事故！！！なんなら外してよシャオちゃん！｣
sha｢え、こんなんすぐ外せr｣
zm｢それより皆腹減らへん？もう昼やし｣
kn｢え？あー、俺たちはもう食ったし！なぁ？｣
sha｢そ、そうや！それにグルッペンに呼ばれとんねん、悪いな｣
tn｢俺も仕事立て込んでるんやった！｣
う、こいつら逃げた。
確実に食害から逃げた！
やばい、私だけ食害の餌食になる！！
｢ご愁傷様やA｣
遠くでトントンが言う。
｢そんな殺生な！｣
｢ほなさっさと行くでA｣
｢うわーん！｣
食堂には、ロボロとエーミールがいた。
ふたりとも手錠の存在に気づいてビックリしていたけど、ゾムの簡単な説明であっさり納得してて私は最早なにも言うまいと口を噤んだ。
問題は、この3人がめちゃくちゃ食べること！
付き合ってたら多分私は、死ぬ！
そんな私を他所にロボロは、楽しそうにテーブルの上を食料で埋めつくしていく。
｢ロボロ許すまじ｣
rbr｢えー楽しく食べようやぁ｣
zm｢はいA、あーん｣
｢ふぁ！？じ、自分で食べれるって！｣
zm｢左手じゃ食べ辛いやろ？俺が食べさせたるって｣
｢…むぐっ！？｣
zm｢可愛ええなぁ、リスみたいで｣
口にハンバーグを放り込まれ、仕方なくもぐもぐと咀嚼をするけど、恥ずかしくて死にそう…。
em｢心中お察ししますよAさん｣
エミさんの憐れむような視線が刺さる。
zm｢なんやねんエーミール！なんか文句あるんか！｣
em｢いえ、文句だなんてとんでもない！…喉詰まらしたら危ないんで、紅茶置いときますねAさん｣
私は、返事の代わりにコクコクと首を縦に振った。
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作者名：ねこ丸 | 作成日時：2019年3月26日 13時
