フードの彼との短編集【zm】 (ページ2)

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vs G ページ2

｢もうあの部屋燃やそうかな…｣
｢発想が俺やん｣
｢ゾムと一緒にいたら伝染った｣
｢伝染るもんなん！？…てか、部屋燃やしてグルッペンになんて言い訳すんねん｣
｢そこは、トントンに言い訳考えてもらうから大丈夫、トントンならグルッペンも納得の正当な理由を考えてくれるはず！｣
｢お前トントンになんもかんも押し付け過ぎやろ！｣
｢トン氏優しいもん！ゾムと違って！なんやかんや面倒見てくれるもん！ゾムと違って！｣
｢喧嘩売ってんなぁ、売ってんよなぁ、さっきから聞いてんとさぁ｣

ゾムの口が嫌そうに歪んでるが、こっちとしても死活問題なわけで多少の嫌味は、許してもらいたいくらいだ！

｢あ、そうだロボロにでも退治頼もうかな｣
｢待て、それじゃあ俺の気が収まらない｣
｢ンえ？｣
｢殺ってやる…｣

ゾムからドスの効いた声が…

えっと…もしやこれは、なにかのスイッチが入った？

恐る恐る顔を覗き込むと、台詞とは裏腹に死んだ目をしていて私は、察する。

あ…心底ゴキブリが嫌なんだな…

って。

それでもプライドが許さなかったらしい。

なんかごめんゾム…。

そして私達は、部屋の前へ。

ゾムは腕まくりをして、丸めた雑誌を片手に行くでと一言言うと扉を開けた。

しんと静まり返った部屋、ゴキブリの姿は何処にもない。

幸いにも私の部屋は、極々シンプルで家具も少ない為探せば出てきそうなものだが、ここは大人しく待ってみることになった。

｢しゃあない…待つか｣
｢う、うん…｣

ゾムとふたりソファに腰掛けて待つ。

壁掛け時計の秒針を刻む音だけが聞こえる。

｢なんやろな、この状況｣
｢ここが地獄か…｣
｢いやほんまによ｣

私は、無意識にピッタリとゾムにくっついててゾムもそれには文句を言ってこなかった。

ハッキリ言ってふたりしてビビり散らしていた。