そして彼に惹かれていった

惹かれる＿14 ページ15

悲鳴レベルの歓声を背中に浴びつつ、ぺこりとお辞儀をしながらステージ裏へ

BTSのみんなはまだ仕事が残っているとかなんとかで残った


「ありなんですか⁈これありなんですか⁈」


監督にそう言う

なんかいろんなものを失った気がする

いや監督、サムズアップすな


「ごめん、これ俺が頼んだ」


おい監督こら

なんで何も伝えてくれなかったのか問うと、その方が自然な表情出るでしょ、と得意げに言われた


「俺じゃなくても」

「側から見れば君が加わったようなもんだよ？目立たせないと」


いやだからサムズアップすな


「まぁ、いいんですけどさ」

「やっぱり甘いね」

「甘くないですよ…多分」


よく、自身以外には甘いと言われる

別に甘やかしているつもりはない

許しちゃうというか、怒る気が失せるというか

先輩には怒れないし後輩も可愛いから無理、同級だって可愛く見えてくるし

あれ、みんな可愛い


「何面相なのよ、表情変わりすぎ。もうちょっとで出番だからね」

「わかりました」


前半は聞かなかったことにする

監督と話しているうちに、BTSは話を進めていた

司会うまいな


「僕らとスペシャルコラボを果たしました、HNさんです！どうぞ！」


ナムジュンの掛け声とともに、BGMと黄色い歓声が響く

第2の出番のようだ

俺は気を取り直して、ステージへ一歩踏み出した

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