未来を生きる ページ44
ボロボロになった私をトントンさんが、チーノをコネシマさんがそれぞれ担いで帰路につく。コネシマさんがチーノを俵担ぎしていたため自分もそうかと思っていたがトントンさんは私を姫抱きしていた。そしてじーっと顔を見つめられる。
「あ、あの…トントンさん？」
恐る恐る尋ねれば彼は不機嫌そうに口を開いた。
「女が顔に傷作ってどないするんや」
「え…」
確かに彼女に蹴られ私の顔面は悲惨なことになっているだろう。しかしまさか心配されているとは思わず言葉に詰まる。その隣で会話を聞いていたグルッペンさんが吹き出す。
「っ、トントンは誰よりもAを心配していたからな。顔は怖いが本当は心配しているんだ。」
「！ グルさんっ」
私を抱いていなければ殴り出しそうなトントンさんをどうにか抑えて私はお礼を言う。トントンさんは決まりの悪い顔をしたが耳が赤くなっていたことからきっと私の気持ちは届いたはずだ。グルッペンさんも鼻歌を鳴らして機嫌がよさそうだ。そんな私達をしんぺい神さんが直々に迎えにきてくれた。乗り物が戦車だったのはさすがしか言いようがないが。
戦車に揺られて基地に着く。車内でしんぺい神さんから応急処置された私とチーノ。グルッペンさんから二人は奥で寝ろと命令され、並んで座っている。
「チーノ」「A」
タイミングを見計らったように声が重なる。目が合って互いに遠慮し、次は無言。私は自然に笑いが出る。
「チーノからどうぞ」
「ずっと謝りたかってん。…ほんま巻き込んですまん。」
「何でチーノが謝るの？任務だったなら仕方ないじゃない」
「わざとAを傷つけるようなこと言って…すまんかった。それに俺一人じゃ守りきれんかった。頼りない俺で本当にすまん…！」
「やめて、謝らないで。私だって謝りたいの！任務だと知らずにひどいことを言ってごめんなさい。それから、ケーニヒから私を救ってくれてありがとう。…かっこよかったよ」
チーノは私の言葉を聞いて少しくすぐったいように笑う。
「お互い謝んのは終わりにしよか！それにしても俺らほんまにボロボロやな〜これは相当みんなに心配されるで？」
「私もチーノも松葉杖生活だもんね。…でも早くみんなに会いたいな」
「何か…A、ここ数日でぐっと大人びたな？」
「そうかな？自分じゃわからないけど…」
「何なん、恋でもしたん？」
「…さあね」
にやりと笑って舌を出す。チーノは生意気な！と私の髪の毛をぐちゃぐちゃにしてきた。
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鳩山(プロフ) - えみさん» コメントありがとうございます。懸命に生きる2人と彼らの話を素敵と言っていただき本当に光栄です…！最後までご愛読ありがとうございました！ (2021年2月20日 16時) (
レス) id: 9ca89ee33d (このIDを非表示/違反報告)
えみ - rbr推しですがshaちゃんとくっついて欲しいと思ってしまう程の作者様の文才に引き込まれました…！とても素敵な話でした！ (2021年2月19日 17時) (レス) id: 1597543406 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - ブンブンさん» ブンブンさん！以前もコメントして下さいましたよね？本当ありがとうございます…！良かったら番外編でもよろしくお願いします…！最高に嬉しい言葉を本当にありがとうございました！ (2019年11月11日 0時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
ブンブン(プロフ) - 完結おめでとうございます！貴方の作品に出会えて本当に良かったです！ (2019年11月10日 23時) (レス) id: 4a511d68cf (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - kogarashi343gooさん» コメントありがとうございます！本当に嬉しいお言葉ばかりで私からも感謝させてください！すごく励みになります…！今後は番外編然り、別作品然り、更新頑張っていくつもりですので今後ともよろしくお願い致します！ (2019年11月10日 22時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
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