純色の会議 ページ33
人類希望の星とされる我々の本部には、重苦しい雰囲気が漂っていた。
当然のように内ゲバは行っていたものの結束力があるこそ組織に裏切り者が出たのだ。
東エリアを任されたひとらんらん、ゾム以外の面子は総統の一言により会議室へ集合する。いつもは会議の踊っていると言うのに今は誰一人として口を開こうとはしなかった。それほどまでに事態は深刻であったのだ。
「……で、グルさんは何でこの忙しい時に幹部を集めたんですかねぇ？」
苛つきを隠そうとはしないトントンがぞっとするほど低い、押しこもった声を出す。
「理由？そんなもの一つしかないだろう」
対するグルッペンもまた額に青筋を張らせ、目じりを吊り上げている。
「もう二人ともピリピリすんのはやめてや〜。まあそんな俺もこの状況に対してすごく腹が立ってるんやけどなぁ」
そしてオスマンが腹立たしさの中から笑みがはみ出るように浮かばせている。三者三様の"怒り"が会議室を包んでおり、他の幹部は自身にそれが降りかかってこないよう存在を消していた。
「お三方はあの人がほんまに裏切ったと感じとるんか？！」
そんな時、修羅となった三人へ声を出したのはこの中では最弱に分類されるであろうチーノであった。その言葉に三人の視線が彼一人へ突き刺さる。
三人の目には誰がそんなことを言った？と言わんばかりであってチーノは一瞬気圧される。
「こうやって下らん会議する暇があるんやったら、A先輩を力尽くでも取り返しましょうよ…！」
だがチーノは踏ん張る。自身の敬愛してたまらない先輩が笑っている姿を思い出して、彼女の言葉が今の彼の力となっていたのだ。
「ほんまに、あの人が裏切り者やったらこんなもん残さんでしょ…。A先輩は変なところで阿保やから…！」
幹部全員が彼女からもらったミサンガを見つめていた。それぞれが彼女との思い出を頭に浮かばせていて、悲痛に顔を歪ませる者、呆れたように笑う者、不機嫌そうにそっぽを向く者、と十人十色だ。
「チーノ」
「…なんすか」
総統の目じりは元通りとなっている。
「よく言ってくれたな。」
「………なら、」
「うわあ、ほんま一番下っ端チーノくんに言われて頭が冷えるってやばいわぁ…」
オスマンが目を細めて尖りなく笑う。
「なあ、グルさん。俺ら…いや我々こそがこの地球での主役なんやろ？仲間一人救えない無能なんて必要ない。Aは、俺が連れ戻す」
トントンが自身の愛刀を掲げてこの場に誓った。
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鳩山(プロフ) - 詩音さん» コメントありがとうございます…！返事がとても遅くなって申し訳ないです…！ハッピーエンドにしたくって最後書くのを頑張りましたのでそう言っていただけて本当に嬉しいです！ありがとうございました！ (2020年6月7日 23時) (
レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後までどうなるかわからなくてドキドキしました。ハッピーエンドが素敵すぎます…読ませていただきありがとうございます…。！これからも応援しています！ (2020年3月10日 9時) (レス) id: e70b445cf3 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - カリンさん» コメントありがとうございます！頑張り屋な夢主をここまで見守ってくださって本当にありがとうございます…！素敵な物語と言って頂き大変幸せです…！これからも新作を投稿していく予定ではありますので今後ともよろしくお願いします！ (2020年3月1日 0時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
カリン - 完結おめでとうございます！頑張る夢主がどういった結末を迎えるのかドキドキしながら最後まで読まさせていただきました。素敵な物語をありがとうございます！これからも応援しています！ (2020年2月29日 23時) (レス) id: 84d76390cc (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 琥珀さん» コメントありがとうございます！自分の書いてて楽しいお話を書かせて頂いてそのようなお言葉をいただけて私は本当に幸せ者です…。今後も新作は出していくつもりですので、ぜひ今後ともよろしくお願いいたします！ (2020年2月29日 22時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
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