桃色と彼女 ページ25
Aにとって幹部は自身の生きがいだ。自らを主役と名乗る彼らを見ているとこちらまで幸せな気分にさせられる。Aにとって、彼らは"主役"で自分自身は"脇役"であったのだ。
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宣戦布告をすると、グルッペンがついに宣言した。その一言で軍内に緊張が走る。通信兵をまとめ上げるロボロの仕事量はとてもじゃないが一人ではこなす事ができない。そのためヘルプとしてAがロボロの隊の手伝いに来ていた。
「ほんますまんな…Aも忙しいのに」
「全然大丈夫だよ。私に出来ることがあったらなんでも言ってね」
「おん。こき使わせてもらうで」
「お手柔らかにお願いします」
彼なりの冗談に笑っていれば、隣にいたロボロがAの肩に寄りかかってくる。
「ロボロ隊長は疲れてるみたいだね」
「あったりまえやろ…毎日毎日機材とパソコンばっかり見てるんやで…目が逝くわ…。Aはなんなん…何で側におるだけでそんな癒されるん？」
「本当に疲れてるみたいだね。お茶持ってこようか？」
「いい。それよりこうさせてや」
ロボロはAの肩に頭を任せたまま目を瞑る。綺麗な桃色の瞳が見れないことは残念ではあるが、彼が少しでも休めるのなら、とAはそのまま彼に肩を貸す。
「なぁ」
目を瞑ったままロボロが口を動かす。
「Aってさ、好きな奴とかおんの？」
「いるよ」
「はっ！？」
ガバリと起き上がったロボロがAの肩を掴む。痛いほど力の篭ったその腕に「ど、どうしたの？」と驚くのはAの方であった。
「だ、誰や！？俺の知っとる奴！？」
「うん」
「ってことは、幹部…なんか、」
「うん。そうだよ、幹部のみんな」
にこり、Aは笑う。そしてロボロはズッコケる。
「いやあのさ、Aさん…ほんまにお前はさ…そういうところやで…？」
「もしかして恋愛的な意味だったの？」
「それ以外になにがあるんや！」
ムキになるロボロではあったがAが微笑んでいるのを見て、怒りよりも呆れが勝った。
「私なんかに好かれてもその人が迷惑でしょ」
「俺その言葉嫌いや」
「迷惑って言葉？」
「ちゃう。私"なんか"って方」
目を丸くするAをロボロは睨む。
「Aはいつも俺らの幸せを願っとるって言うけどな、Aにだって幸せになる権利はあるやろ」
ロボロは自身の利き手につけた桃色のミサンガを見つめていた。Aはそんな彼を見て、困ったように眉を下げて何も言わずに微笑んでいたのだった。
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鳩山(プロフ) - 詩音さん» コメントありがとうございます…！返事がとても遅くなって申し訳ないです…！ハッピーエンドにしたくって最後書くのを頑張りましたのでそう言っていただけて本当に嬉しいです！ありがとうございました！ (2020年6月7日 23時) (
レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後までどうなるかわからなくてドキドキしました。ハッピーエンドが素敵すぎます…読ませていただきありがとうございます…。！これからも応援しています！ (2020年3月10日 9時) (レス) id: e70b445cf3 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - カリンさん» コメントありがとうございます！頑張り屋な夢主をここまで見守ってくださって本当にありがとうございます…！素敵な物語と言って頂き大変幸せです…！これからも新作を投稿していく予定ではありますので今後ともよろしくお願いします！ (2020年3月1日 0時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
カリン - 完結おめでとうございます！頑張る夢主がどういった結末を迎えるのかドキドキしながら最後まで読まさせていただきました。素敵な物語をありがとうございます！これからも応援しています！ (2020年2月29日 23時) (レス) id: 84d76390cc (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 琥珀さん» コメントありがとうございます！自分の書いてて楽しいお話を書かせて頂いてそのようなお言葉をいただけて私は本当に幸せ者です…。今後も新作は出していくつもりですので、ぜひ今後ともよろしくお願いいたします！ (2020年2月29日 22時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
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