白色の後悔 ページ12
───Aとの連絡が途切れた
ロボロから通信が入り、比較的彼女と戦場が近かったひとらんらんが合流した時には戦地は荒れ果てていた。生者はいない。一目見れば分かること。
彼女の亡骸を探すべく、戦地を馬で移動する。どれだけ探しても彼女の亡骸は見つけることができなかった。
「ロボロ、聞こえる」
『…聞こえる』
「Aは見つからなかった。…死体は回収されたみたい。C地点の生存者0名。報告は以上だ」
『…ほんまに、』
「こんな縁起の悪い嘘なんかつくわけないじゃん」
ロボロの気持ちはひとらんにとって理解出来るものだ。今だってひとらんは立っているだけで精一杯の状況だったのだから。隣に相棒が居なければ今頃膝は折れて立てなくなっていたはずだ。
『…幹部には俺から伝えるわ。ひとらんはすぐにゾムと合流して休んでくれ』
「うん」
ピピッとインカムがオフになる。ロボロの声は震えていた。ひとらんは手首についたミサンガを空に向けて黙祷する。
優しい君が、少しでも痛みなくあの世にいけますように、と。
.
..
知っていたはずだ。
俺が誰よりも裏切りを嫌っていることは。
見たこともない軍服を着て俺の目の前に立ちはだかるのはA。いつも柔らかく笑って俺たちの幸せを望んでいたA。
………裏切り。裏切りだ。
冷静に考えることなんて出来ず俺は愛刀を構える。
「…どういうつもりか分かんないけどさ。
お前は確かに、俺を裏切ったんだよなぁ？」
許さない。理由なんて知らない。
あいつが俺の隣ではなく、向かい側にいることを俺は絶対に許さない。四肢をもいで、死を懇願しても許すものか。
────ひとらんさん、幸せですか？
花のように俺に笑いかけた女はもういない。
俺は彼女から受け取ったミサンガを愛刀で斬る。抵抗もなく地面に落ちたそれを踏んで前へと進んだ。
「なあ、教えろ。どうして俺らを裏切ったんだ……A！」
「……私はやっと自分の価値を見つけたんですよ。それは我々では決して利用できないものだったんです。」
「お前を、信じた俺達が馬鹿だったのか、？」
「ひとらんさん、この戦い…"私"が勝ちます」
勝敗なんて気にせず、俺らの安否をいつも気にしていたA。その言葉を聞いて俺の知るAはもうどこにも居ないのだと悟った。
なあ、A。俺は、俺たちは確かに仲間だった。お前がそこで何をするかなんて関係ない。裏切りと見なして俺はお前を殺すだけだ。
さようなら、優しい君。
また、来世で。
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鳩山(プロフ) - 詩音さん» コメントありがとうございます…！返事がとても遅くなって申し訳ないです…！ハッピーエンドにしたくって最後書くのを頑張りましたのでそう言っていただけて本当に嬉しいです！ありがとうございました！ (2020年6月7日 23時) (
レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後までどうなるかわからなくてドキドキしました。ハッピーエンドが素敵すぎます…読ませていただきありがとうございます…。！これからも応援しています！ (2020年3月10日 9時) (レス) id: e70b445cf3 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - カリンさん» コメントありがとうございます！頑張り屋な夢主をここまで見守ってくださって本当にありがとうございます…！素敵な物語と言って頂き大変幸せです…！これからも新作を投稿していく予定ではありますので今後ともよろしくお願いします！ (2020年3月1日 0時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
カリン - 完結おめでとうございます！頑張る夢主がどういった結末を迎えるのかドキドキしながら最後まで読まさせていただきました。素敵な物語をありがとうございます！これからも応援しています！ (2020年2月29日 23時) (レス) id: 84d76390cc (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 琥珀さん» コメントありがとうございます！自分の書いてて楽しいお話を書かせて頂いてそのようなお言葉をいただけて私は本当に幸せ者です…。今後も新作は出していくつもりですので、ぜひ今後ともよろしくお願いいたします！ (2020年2月29日 22時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
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