【d!】君の顔も見たくない【軍パロ】

必死の叫び ページ43

「…A…、はよ逃げぇ…！
おまえ、と…こいつの相性は…すごぶる悪い…！！」
「なんで…ロボロは、仲間、でしょ…？」
「…いま、は…逃げろッ！！」

頼むからと、コネシマは私へ腕を伸ばして背中を押す。それが彼の振り絞った最後の力であったようで、そのまま気を失ってしまう。横で倒れる彼とは違い、私は毒の耐性があってか、まだ意識ははっきりとしている。


この状況が分からない。
なぜ、ロボロが私やコネシマに毒を飲ませたのか。
コネシマからまだ、何も聞いていない。
なぜ、シャオロンのことを確定された死などと言ったのか。


倒れるコネシマを前に笑うロボロが視界に入った。私も毒により体が痺れてうまく動くことが敵わないが、少しずつ彼から距離を取る。

「なんで…こんなこと…っ」
「二人の言っとることはよう分からんけど、Aを手に入れるチャンスが来たってことやもんな？」
「わたし、？」
「おん」

ロボロは語尾にハートがついてるかのように錯覚するほど甘い声を出した。倒れる私の側に寄ると、頰に手を滑らせる。

「俺は別にお前の心はいらんねん。ただ、そのまま……俺の理想のままおってくれさえすれば良かったのに」
「りそうってなによ」

呂律が回らない。冷や汗が全身を駆け巡り少しずつ体温が下がってきていた。それでもロボロを睨むことだけはやめない。

「そのままや。俺はお前の容姿とその強さに惚れたんやで。別にシャオロンとくっつこうがコネシマとくっつこうが俺にとってはどうでもええんよ」
「はっ…？」

彼はそれ以上答える気はないようで、銀色に輝くナイフと黒光りする拳銃を両手に掲げた。

「うーん、拳銃はあかんなぁ。Aと合わへん。ナイフも血で汚れるし……。Aに合うのは、やっぱり毒かなぁ？」

ロボロは私がうまく動けないのをいいことに私の体をまさぐる。

「あったな」

そして太ももにつけていたホルターから毒針を見つけ出すとそれを私へ向けた。

「ね、ねぇ…なに、する…気？」
「Aはこのまま綺麗でおってな」

あはっ、と笑った男…ロボロは羨望の眼差しと共に毒針を腕に近づけた。

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