ストーカーバレました ページ12
「で、Aが知りたいことはひとらんさんに恋人はいるかってこと？」
「いえす」
「んーそんな話聞いたことないけど。居るんじゃないっすか」
「やっぱり？私も彼の行動監視してる限りいないっぽいんだよね…」
「ほんま引くわ。」
「ごめんごめん！ってことでひとらん先輩と仲がいいショッピくんにお願いしたいの！」
「いや俺。生徒会は一緒やけどほぼほぼ話したことないからな。そんなん分からへん。」
「チッ」
「舌打ちすな。ひとらん先輩と仲がいい先輩やったら紹介できるけどどないする？」
悪魔が天使に見えた。私は目を輝かせてショッピくんに飛びつく。
「ぜひ！！」
深いため息をついたショッピくんだが彼のことだから仕事は完うしてくれるだろう。
「お前がショッピくんの言ってた奴か？」
ショッピくんから、今日の放課後靴箱で待て。とまるで果たし状のような文面でラインが来ていた。素直に彼を待っているとショッピくんではなく一つ上の学年の先輩が声をかけてくる。
「あ、コネちゃん先輩」
「は？」
つい心の声が出てしまった。ひとらん先輩を観察してるうちに彼の交友関係はほとんど知ることができたのだ。ひとらん先輩が彼のことをコネちゃんと呼んでいたからそれが移ってしまった。男を相手にちゃんづけするところも尊い。毎日生きてくれてありがとうございますって感じだ。
「すみません…ひとらん先輩が、先輩のことコネちゃんって呼んでいたので移っちゃいました」
「そうなんか。なら自己紹介はいらんな。ショッピくんから聞いたけど聞きたいことがあるんやろ」
「はい！」
私はいそいそと鞄の中からマル秘ノートを取り出す。これにはひとらん先輩の1日のスケジュールや彼のプロフィールなど私の知る彼の情報が全て書かれている。ちなみに今このノートは三冊目だ。
「何やそのノート。生憎勉強はあんまり教えてやれんぞ？」
「いえ、これはひとらん先輩ノートなのでお構いなく。」
「…ひとらんノート？」
コネちゃん先輩が興味深そうに私のノートを覗き込む。そして顔をギョッとさせる。
「なんやこれ」
「私の努力の結晶です」
「お前…」
私は彼の続くであろう言葉に反論すべく頭を巡らせる。しかし彼から出た言葉は否定ではなかった。
「お前…オモロイな！！」
「へ？」
「いやあ、久しぶりに大先生並みの尖りを見つけてもうたわ！まあまあ、仲良くしよーや。お近づきにひとらんの好きなタイプ教えたるで」
私はコネシマ先輩と固い握手を交わした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 275人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鳩山(プロフ) - 114514さん» コメントありがとうございます…！（そっとハンカチを差し出す）難民さんに刺さるお話があれば幸いです！ (2020年7月3日 19時) (
レス) id: 9ca89ee33d (このIDを非表示/違反報告)
114514 - ぐはっ（吐血） (2020年7月1日 21時) (レス) id: 3a17ec7a5b (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 琥珀さん» 琥珀さんコメントありがとうございます…！難民として完結できたことを誇りに思います！今後とも活動は続けていきますのでよろしくお願い致します…！ (2020年4月7日 17時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - htrnさんの素敵なお話ありがとうございました……！ (2020年4月7日 7時) (レス) id: 742aa07519 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 外ピさん» コメントありがとうございます！htrnは私の最推しでして、自給自足のためにこの作品を作りました。その言葉に私は咽び泣くほど嬉しいです…！ありがとうございました！もう終わりに近づいてはおりますが、今後ともよろしくお願いします！ (2020年3月29日 21時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
